輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

大正時代の缶ペンケース 

※なんと!開明さまから情報をいただいたので補記します。(2021/2/9)

骨董市で、黒の缶ペンケースを見つけた。

私にとって缶ペンケースと言えば1980年代頃のナツカシ文房具で、

そのあたりの文房具は基本興味の対象外である。

 

f:id:tai_michi:20210207174233j:plain

 

「違うな。」

そう思って通り過ぎようと思った時に、「TAGUCHI」と書かれていることに気づいた。

古文房具好きな自分にとって「TAGUCHI」というと

「日ノ出向鳥」商標の消しゴムメーカー田口ゴムと

開明墨汁の田口商会(現開明株式会社)の2つの会社が関わっている可能性のある重要ワードだ。

 

f:id:tai_michi:20210207174417j:plain

 

通り過ぎるのをやめて一歩戻ってよく見ると

「Kaimeiboku Tuzuribako」と書いてある。

※「Kaimeinoku Suzuribako」でした。筆記体のTに見えるが、Sもこのように書くことがあるそうです。誤字などと言って失礼しました。

 

これは開明墨汁の缶ペンケースだ。

漢字にすると「開明墨 綴り箱」?だと少しおかしいので、

開明墨 硯箱」と書きたかったのではないかと思われる。

 

ということは、中身は80年代の缶ペンケースではない。

 

f:id:tai_michi:20210207174017j:plain

 

f:id:tai_michi:20210207174123j:plain

 

昔の携帯用の文房具セットだ。

中には小さなガラスの瓶に、墨を入れる小さな墨池、というのだろうか、綿がセットされていてふたがついている。

あと、竹の棒のようなものがあるがこれは筆だったものの残骸だろう。

通常は筆を入れておく。

 

かなり傷んでいるが、開いた左側の一番上の丸い容器は朱肉?のようなものが入っていた跡が残っている。

 

f:id:tai_michi:20210207174045j:plain

f:id:tai_michi:20210207174107j:plain



瓶は、ふたを閉めているときは寝かしているが、

起こすこともできるし、金具から外すこともできる。

 

f:id:tai_michi:20210207174041j:plain

 

裏ブタにはしっかり田口商会の商標「梅鉢マーク」がある。

 

 

このタイプの筆墨を携帯する用の筆箱は「文具筥(箱)」といった名称でよく見かける。

時代としては明治~大正であろう。

その時代にこの英字表記のデザインは、最先端のオシャレさだったのではないだろうか。

前回のブログで紹介した開明墨汁の容器もきれいで上質な感じだが、

こちらもまた違った良さがある。

 

やるじゃないですか、開明さん。

 

※表の「S,TAGUCHI」の「S」は創業者の田口精爾氏のイニシャルであろうとのこと。田口精爾氏は大正末期に亡くなられていることを考えると、大正時代のものと考えることができるとのこと。

 

  

そしてオシャレな文具箱をほかにも見つけたので

一緒にご紹介。

 

f:id:tai_michi:20210207174129j:plain

 

これもかわいい。お財布か小さなカバンのような形をしている。

「KABAN BUNGU」という名前だと思うが

これも(?)BUNGUの「U」が二つに分解されてしまい「JJ」となってしまっている。

開明墨のほうは間違いではなく「綴り箱」なのかもしれないが)

英字スペルの認知が低かった時代ということで

却って時代感を感じる。

 

中身の構成は基本同じ。

 

f:id:tai_michi:20210207174144j:plain

 

お掃除していないので汚れてるが、大体同じものがセットされている。

瓶がないが写真一番下のところにもしかしたらセットされていたのかもしれない。

 

あと一つ、これもなかなかいい感じだ。

 

f:id:tai_michi:20210207174203j:plain

 

表に花鳥が浮き彫りになっている。

 

f:id:tai_michi:20210207174214j:plain

余計なお世話だが、裏から見ると

ちょっと細長いロケットみたいな造形でなんだか格好よく見える。

 

f:id:tai_michi:20210207174223j:plain

 

「甚造」君が持ち主だったようだ。

「甚造」君、どんな人だが存じ上げないが、何となく繊細そうな人物を想像した。

 

これは瓶がついていないタイプだったようだが、

この小さなガラス瓶がついているペンケースって、

今でもアリじゃないかなとちょっと思った。

墨じゃなくてインク、筆じゃなくてつけペンかガラスペン。

 

 

 

余談だが、こういった「文具箱」は文房具を集め始めた最初の頃から存在は知っていたが、

「墨筆は興味ないから」と言って手を出さないで来た。

 

だがなんだかんだで最近数が増えだしている。

あああ、またターゲットが広がってしまったのか。

よく考えろ、自分。

 

今日紹介した以外にも持っているので、いつか紹介しようと思う。

そのときはよろしく。

 

ちなみに「大正時代」は推測。

モノとしては昭和にはほとんど使われていなかったと思われるが

明治まで古くないカナ的な感じで対象とした。

 

 

田口商会 ジュースのような開明墨汁

骨董市で見つけた紙の巻かれたガラスの瓶。

f:id:tai_michi:20210124133049j:plain

 

f:id:tai_michi:20210124133052j:plain

この濃厚で泡立つ感じは、

トマトジュース???

 

f:id:tai_michi:20210124133028j:plain

 

に見えるが、墨だ。朱色の墨。

f:id:tai_michi:20210124133024j:plain

開明朱墨汁。 

現在の開明株式会社、旧社名田口商会の朱墨だ。

朱墨汁は骨董市などでも時々見るが、

小さな缶やインク瓶のような瓶に入っているものがほとんどで、

このサイズの瓶は珍しい。

 

f:id:tai_michi:20210124133056j:plain

 

コルクのふたの頭には開明の「開」が書かれた「梅鉢」マークだ。

 

開明株式会社のホームページによると

朱墨汁は昭和25年に発売されたものなので

それ以降のものだろう。

http://www.kaimei1898.com/aboutus.php

 

「なんだこれ?ジュース?」のインパクトで買ってしまった。

 

 

ついでにもう一つ田口商会の墨汁を。

 

f:id:tai_michi:20210124133044j:plain

 

こちらは時代的には先ほどのジュースのような朱墨汁よりかなり古いものだ。

古い墨の瓶は一見インク瓶のようだが、

形が平たく首がキュッとしまった特殊な形をしている。

ふたが大きいのも特徴的だ。

f:id:tai_michi:20210124133032j:plain

 

f:id:tai_michi:20210124133035j:plain

 

 

ふたはコルクに大きな木のふただ。

下半分はブリキの受け皿のようなものがついている。

 

f:id:tai_michi:20210124133039j:plain

 

ふたにはこちらも「開」マークをあしらった梅鉢マークだ。

梅鉢マークは明治から使われているが、田口商会という名称は大正5年以降なので

これもそれ以降、おそらく昭和初期ころではないかと思われる。

 

こういった墨の瓶は時々見るが、汚れているものや

ふたが壊れているものが多い。

ブリキの底面も含めて、これだけ状態がいいのは珍しい。

 

f:id:tai_michi:20210124135532j:plain

 

 

昔の墨汁はこんな風に売ってたんだよ、という

参考資料として。

 

 

 

雑記帳のいたずら書きと90年前のクイズ

先日NHKラジオさんから、学習帳の歴史について問い合わせをいただいた。

Web連載「文房具百年」の学習帳について書いた記事をご覧いただいたそうで、

こうやってつながっていくってうれしい!

「Nらじセレクト」という10分程度のコーナーで

学習帳について紹介をされるそうで、そちらに取材協力させていただいた。

放送予定日は、1月18日(月)午後7時半から午後8時の間で、

10分ほどのコーナーとのこと。

 

告知ついでに学習帳とはちょっと違うが、

昔勉強とかにも使われていた何でもノート「雑記帳」を2つ紹介をしよう。

 

f:id:tai_michi:20210117132445j:plain

 

桃太郎のノート。大正時代の質感なので、「七年」とあるのは

大正7年と思われる。

中は無地のざらっとした紙。

 

男の子が学校のノートとして使っていたようだが、

いたずら書きがあって、それがなかなかうまい。

 

f:id:tai_michi:20210117132520j:plain

 

やかん。なぜ勉強中にやかんを書きたくなったのかはわからない。

 

f:id:tai_michi:20210117133424j:plain

 

これはウサギと亀かな。

端の方に日本神話に出てきそうな横顔付きだ。

 

f:id:tai_michi:20210117133619j:plain

 

これ、絶対先生だと思う。

右上の石川五右衛門みたいなのと先生と思しき顔の関連がわからないが。

なかなか上手ではないか。

子供のノートってこういうところも楽しい。

 

次のノートは昭和初期くらいかな。

 

f:id:tai_michi:20210117132536j:plain

f:id:tai_michi:20210117133935j:plain

 

高校生女子のノート。

東金高女とあるので調べたら、明治時代からある歴史ある学校とのこと。

中はびっしり勉強のノートで、なるほどという感じ。

 

ふと目についたのがこれ。

 

f:id:tai_michi:20210117134330j:plain



「むだづかひ一二三五六七八十」

「きゃうの魚はうまかった」

 

 

教科書の例文の天気かと思ったのだが、

これだけノートの済に枠で囲って書いてある。

で、よく見ると。

「あ、これクイズだ!」

 

答えわかるかな?

 

f:id:tai_michi:20210117134325j:plain

 

「むだづかひ一二三五六七八十」

→ 「無駄遣いはよくない」(四九がない)

「きゃうの魚はうまかった」

→ 「鯨はうまかった」(魚+京で鯨)

 

これ、授業中にお友達から聞いて、面白いと思ったんでしょうね。

きっと優秀な女学生さんだったと思うのだが、

こういうのを面白いと思う素直さがほほえましい。

 

 

ということで、1/18のNHKラジオ、よかったら聞いてみて。

私も聞こうと思う。

なお、聞き逃しはらじるらじるでも聞けるとの頃。

 

 

丸善 オリオンステープラー 

新年早々、首都圏では緊急事態宣言が発令され、

これからどうなるのだろうと不安な1年のスタートとなった。

 

まぁこういう時は、ゆるい古文房具でも見ていただこうかと。

 

f:id:tai_michi:20210110153454j:plain

 

丸善のハンディタイプのステープラー(ホッチキス)です。

何となく水辺に生息している何かみたいな見た目がチャームポイント。

 

f:id:tai_michi:20210110153439j:plain

 

f:id:tai_michi:20210110153511j:plain

 

正面から見ると、なんとなくクワッと口を開けたようにも見えてくる。

 

f:id:tai_michi:20210110153522j:plain

 

PAT.APPは特許出願中かな。

番号があるけど、該当の番号や関係しそうな特許が見つからなかったので

ここに記載されている特許は登録までいかなかったのかと。

「29」とか「31」という数字は昭和の年号と思われるんので

昭和30年前半に作られたものだろう。

 

そしてこのハンドルの下にある「PUSH」は

ここを押すと針を入れるところが飛び出す仕組みになっている。

その出方が、これまた生き物っぽくて何とも和んでしまう。

 ↓ 針入れが飛び出すところの超短い動画。かわいいので、クリックしてみて。

https://youtu.be/40UUzgpSZss

 

f:id:tai_michi:20210110153425j:plain

針入れが出たところはこんな感じ。

 

この形や針入れの飛び出し方に一番ウケてたのは、

これを考えた人だろうな。

周りが引くくらい、「これいいだろ!!?」攻撃をしていたかもしれないと思うと

ほほえましい。

 

 

昔からホッチキスって爬虫類とか小動物とか

生き物っぽいデザインが結構あって、

それはそれで楽しい。

 

 

 

2020年、探していたものが一気に見つかったキセキ、今年も探し求めます。

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

今年も引き続き、面白いもの、素敵なものを探探していきたいと思う。

あきらめずに。

 

というのは、2020年年末、不思議なことが起きた。

2020年11月にTBSラジオ安住紳一郎の日曜天国」に出演させていただいたのだが、

そこで紹介した文房具で、探していたものが一気に手に入った。

 

「求めよ、さらば与えられん」

聖書のマタイ福音書七章の言葉だが、思わずこんな言葉が頭に浮かんだ。

手に入ったものコチラ。

 

f:id:tai_michi:20210101130943j:plain

 

右上→ 軍用チョークの「ほまれチョーク」とチョークホルダー。メーカーの武揚堂さんに譲ってしまったので、探していた。

右下→ 鉛筆削り「バリカン削り」で箱・説明書付き。

バリカン削り自体は持っているが状態が悪いのと、箱をずっと探していた。

左 → 多機能はさみを持っていたが、機能の数え方と用途がわからないので、説明書が欲しいと思っていた。そしたら説明書付きが見つかった。

 

 

これすごくない?

ほまれチョークもバリカン削りの箱も何年も前から探していた。

もしかしたらこれらは、ラジオで紹介したことがきっかけでオークションに出品されたのかも知れないが、

多機能はさみについては、海外のオークションなのでラジオで紹介したことは100%関係ない。

 

せっかくなのでそれぞれもう少し詳しい写真を。

まずほまれチョーク。

*関連ブログ

ほまれチョークと日本理化学工業「キットパス」 - 輸入・廃番文房具の発掘メモ

軍用チョークの点と線 - 輸入・廃番文房具の発掘メモ

tai-michi.hatenablog.com

私が以前入手して武揚堂さんに譲ったのとは、箱のデザインが違う。

だけど、この箱、チョークホルダーと同じ色だ。

武揚堂さんに譲った箱のデザインも素敵だが、ホルダーとおそろいというのがうれしい。(ホルダーの赤じゃないほうが黒い柄に見えるけど、濃紺)

ちゃんとふき取り用の皮もついてる。

f:id:tai_michi:20210101131000j:plain

 

 

 

f:id:tai_michi:20210101130723j:plain

中は未使用のチョーク。

ホルダーにはチョークが入っているので、予備のチョークなんだろうが、

これを使う前に戦争が終わってよかったね、といつも思う。

 

f:id:tai_michi:20210101130708j:plain

裏には「無鉛」だから無害であること。

「陸海分の各学校官営にては無鉛チョークを指定させる」旨の記載が軍用チョークであったことを示している。

 

 

次にバリカン削り。

 

f:id:tai_michi:20210101131230j:plain

 

箱はイロブンコレクターのきだてさんが持っていて

ずーっとうらやましかったのだが、やっと手に入った!!!

(きだてさんのサイト→ 

色物文具専門サイト【イロブン】 » バリカン削り )

 

箱に貼ってあるラベル。

f:id:tai_michi:20210101134255j:plain

 

「鉛筆削機専門工廠」えんぴつけずりきせんもんこうしょうと読むのでしょうか。

「廠」は「壁仕切りのない、ただっ広い建物。」(コトバンク)とのこと。

広い工場で作ってたのかな。

 

f:id:tai_michi:20210101134300j:plain

 

売っていたのは「高善紙店」。調べたがもうなくなっている様子。

※「萬善紙店」で、調べると中屋紙店が出るとコメントいただきました。2022/5/5

大正時代の鉛筆削りだしね。

当時40銭だったんだ。

 

f:id:tai_michi:20210101131201j:plain

説明書もあるのがうれしい。

 

 

 

そして多機能はさみの説明書。

*関連ブログ記事 → 

明治時代の25通り万能はさみ - 輸入・廃番文房具の発掘メモ

はさみの中の2ミリの写真(明治時代の万能はさみの続き) - 輸入・廃番文房具の発掘メモ

安住紳一郎の日曜天国紹介文具とはさみの補足 - 輸入・廃番文房具の発掘メモ

バーン!!!

18種類について機能が判明。

 

f:id:tai_michi:20210101131212j:plain

 

該当のはさみはこれ。

 

f:id:tai_michi:20210101130736j:plain

そういえば、「吾輩は猫である」に出てくるはさみも「赤いケース」に入っていた。

箱のようなケースをイメージしていたが、きっとこれだ。

 


このはさみも写真が組み込まれているが、目を当てる側のレンズが傷んでいて肉眼では見えない。

反対側から写真を撮ったところ、パラソルを手にした水着のおねーさんらしい。

f:id:tai_michi:20210101131217j:plain



f:id:tai_michi:20210101131226j:plain

 

 

これらのものが次々と見つかる状況に

ああ、あきらめないで探しててよかった、と

何度も思った。

探していればいつか見つかることがある、

あきらめないのが大事、

と改めて実感。

 

ずーーーーーーっと探していて見つかっていないものはまだまだあるけど、

これからも探し続けようと改めて誓った2021年年頭。

 

 

 

ガラスの硯と時計の墨

毎年年末の大掃除で悩ましいのは、

買ったままで片づけていない文房具。

 

一度片づけるとそのままになってしまい

紹介する機会がなかなかやってこないので

出来れば、一度はブログやインスタなどで紹介しておきたい。

だが、大掃除の最中にそれをやっているわけにいかず、

片づけてしまおうとなってしまう。

 

なので今年は片づける前に写真だけ取っておけば

片づけてもあとでブログに出せるだろうということで

今から写真を撮りためている。

頑張ると紹介できず、オクラ入りになってしまうので

短くてもいいので数多く紹介しようと思っている。

 

ということで、今日はこれ。

 

f:id:tai_michi:20201220215050j:plain

 

ガラスの硯と時計の形をした墨。

 

ガラスの硯、乳白色のせいかガラスの冷たさがなく柔らかい感じがとてもいい。

 

f:id:tai_michi:20201220214958j:plain

 

f:id:tai_michi:20201220215012j:plain

 

サイドの模様も素敵。

戦前のものだと思われるが、時代は不明。

ガラスが使われていると、戦時中の金属の代用品のイメージがあるが

硯はもともと石硯がメインなので

金属の代用品というのとは違うであろう。

 

墨をするところは若干ざらざらしているので

すれないこともなかったと思うが、

墨を溜め置く墨池として使われていたのでは?という意見もある。

 

墨筆硯はこれまで全然ノータッチだったので

よくわかりません。

ガラスの硯って素敵!

私としてはそれで十分。

 

f:id:tai_michi:20201220215044j:plain



一応、表の墨が残っているざらつきのある所をアップにしてみたが、、、

つたわらないな、これ。すみません。

 

f:id:tai_michi:20201220215027j:plain

 

裏側は特に何もなし。

何でしょうね。前回紹介したガラスのカートリッジの万年筆もそうだけど

普通ガラスではないものが、ガラスというだけで

ワクワクする。

 

そして、このガラスの硯とは関係にないが

同じころ時計の墨も手入手した。

 

f:id:tai_michi:20201220215104j:plain

 

ちゃんと金銀で彩色されているし、

時計の形って洒落てる。

 

なぜ時計なのかというと。。

f:id:tai_michi:20201220215117j:plain

f:id:tai_michi:20201220215130j:plain

 

「早くすれる」墨で「時間経済墨」という商品なのだ。

左側は「光」という文字と最後は「し」?

読めないのだけど、「光沢もいい」とかでしょう。

 

こういうおちゃめなのがあると、墨もチェックして集め出しそうで、ちょっとドキドキする。

ああそういえば、墨と言えばペリカンの墨も持ってた。私の宝物。

参考→ 【連載】文房具百年 #9「西洋の墨汁、東洋のインク」後編|

 

 

ということで、今回はちょっとおしゃれな硯と墨のご紹介。

今年もう1回くらいUPしたいです。

 

 

★Web連載 文房具百年 今月の掲載UPされました。

先月に引き続きチェックライターとその周辺道具の話です。マニアックな話ですが短めなのでさらっと見てね。

www.buntobi.com

 

 

 

Waterman ガラスカートリッジを使ってみる

ウォーターマンにガラスのカートリッジのペンがあることを知ったのは

割と最近だ。

 

万年筆には不案内だが、「ガラスのカートリッジ」というだけで

なんだかワクワクしてくる。

 

ウォーターマンのサイトを見ると

登場したのは1927年とのこと。

https://www.waterman.com/ja/content/9-the-heritage#heritage%22

すっかり欲しくなったのでガラスのカートリッジと万年筆を探してみた。

このガラスのカートリッジというのは、長く使われていたのか

複数のタイプが見つかった。

その中で比較的安価で時代も新し目のペンを買ってみた。

 

f:id:tai_michi:20201219103123j:plain

 

丸っとした形が何となく気に入っている。

f:id:tai_michi:20201219103002j:plain

 

半分埋もれているようなペン先も愛嬌がある。

 

f:id:tai_michi:20201219103042j:plain

 

ほら!ガラスのカートリッジ!

 

実は届いたとき、カートジッリを止めるゴムはがちがちに硬いし、

カートリッジは空っぽの状態たっだ。

そのままだとゴムが割れてしまいそうだったので

しばらく根気よくハンドクリームを塗りこんでみたら

柔らかくなってきたので、様子を見て動かしたら元から嵌っていたカートリッジが外せた。

 

それで、洗おうと思ってカートジッリに水を入れたら、

中で固まっていたらしいインクが復活して今この状態。

 

f:id:tai_michi:20201219103015j:plain

f:id:tai_michi:20201219103028j:plain

 

あれ、これで書けそう!ということで書いてみたら

インクは全く漏れないし、先端を少し濡らしたら

すらすらと書けた。

 

ウォーターマンすごいね。

 

ということは、このガラスのカートリッジに

好きな色のインクを入れて使えば使えるってことかな。

ちょっといいじゃない、これ。

(我が家にあるインクは、インク瓶欲しさに買ったものばかりで、ほとんど固まりかけていたり、完全に乾燥して粉末化しているものばかりという事実は一旦置いておく)

 

私は万年筆はほとんど使わないのだけれど、

最初に使った万年筆は

中学生の時に伊東屋で売っていたウォーターマンの1,000円万年筆。

もう数十年前の話。

万年筆が1,000円で買えるということと、

黒軸に赤のクリップでデザインも格好良かった。

そしてすごくすごく書きやすかったことに感動して

それ以来実用の万年筆はウォーターマンを好んで使っている。

(その1000円万年筆は使えなくなって捨ててしまった。ああ、後悔。)

 

ちなみに、ガラスんカートリッジと万年筆を探す過程で

間違えて買ってしまったものが。。。

 

 

f:id:tai_michi:20201219103103j:plain

 

え!小さくてかわいい!ガラスのカートリッジのペン??

それに安いよ!

と思って即決ボタンを押した後に気づいた。

 

これ、万年筆はじゃない。。。

f:id:tai_michi:20201219103109j:plain

カートリッジケースだった。

海外オークションは気を付けてよく読まないとと日ごろから思っているが

テンション上がってついやってしまった。

 

 

でもさ、

 

f:id:tai_michi:20201219103116j:plain

 

きれいなんだ、このガラスのカートリッジに入ったインクが。

なのでオーケーってことで。

 

 

f:id:tai_michi:20201219103050j:plain

 

 

最近手書きする機会が減ってきているけど、

ガラスのカートリッジの万年筆を使いたいというだけで

何か書きたくなる。

 

筆記具って不思議。