田口商会 ジュースのような開明墨汁
骨董市で見つけた紙の巻かれたガラスの瓶。
この濃厚で泡立つ感じは、
トマトジュース???
に見えるが、墨だ。朱色の墨。
開明朱墨汁。
現在の開明株式会社、旧社名田口商会の朱墨だ。
朱墨汁は骨董市などでも時々見るが、
小さな缶やインク瓶のような瓶に入っているものがほとんどで、
このサイズの瓶は珍しい。
コルクのふたの頭には開明の「開」が書かれた「梅鉢」マークだ。
開明株式会社のホームページによると
朱墨汁は昭和25年に発売されたものなので
それ以降のものだろう。
http://www.kaimei1898.com/aboutus.php
「なんだこれ?ジュース?」のインパクトで買ってしまった。
ついでにもう一つ田口商会の墨汁を。
こちらは時代的には先ほどのジュースのような朱墨汁よりかなり古いものだ。
古い墨の瓶は一見インク瓶のようだが、
形が平たく首がキュッとしまった特殊な形をしている。
ふたが大きいのも特徴的だ。
ふたはコルクに大きな木のふただ。
下半分はブリキの受け皿のようなものがついている。
ふたにはこちらも「開」マークをあしらった梅鉢マークだ。
梅鉢マークは明治から使われているが、田口商会という名称は大正5年以降なので
これもそれ以降、おそらく昭和初期ころではないかと思われる。
こういった墨の瓶は時々見るが、汚れているものや
ふたが壊れているものが多い。
ブリキの底面も含めて、これだけ状態がいいのは珍しい。
昔の墨汁はこんな風に売ってたんだよ、という
参考資料として。