最近、内田洋行のカタログを入手した。
以前から昭和30年代頃ものは持っていたが、昭和9年と12年のものを立て続けに入手することができた。
昭和9年は国会図書館デジタルコレクションでみることができるが、
やはり原本はよい。
それに昭和12年!
内田洋行はロングセラー商品というか、同じ商品が長年にわたってカタログに掲載されていることが多いが、よく見ると少しづつ違っているし、
情報が多ければ多いほどありがたい。
昭和12年のカタログの表示に見慣れない表記があることに気づいた。
「MANCHUKUO」とは何だろう。
調べると満州国のことだった。
日本と同じカタログを満州にも出していたのか。
よく見ると昭和9年のカタログの表紙にも「DAIREN、MUKDEN、HSINKING」とある。
それぞれの奥付を見ると、昭和9年版は日本と中国、満州、外国版は作成中とあり、昭和12年版は日本の他に満州、外国版があるという。
外国とは欧米だろうか。また昭和9年版のカタログで、日本よりも大連や満州版のページ数が100ページ多いが、どんな情報がプラスされていたのだろう。
さらに中を見ていくと、内田洋行の当時の商標があった。
昭和9年版の「カブラ」や昭和12年版の温泉マーク「いずみ」が面白い。
昔の商標はユニークなもの多いが、まじめなイメージの内田洋行もカブラや温泉マークを使っていたことが愉快である。特にいずみは、昭和9年でスタイリッシュなマークだったが、伝わらなかったのか、昭和12年に普通の温泉マークになっており、経緯が気になる。
いずみ商標の商品はどんなものなのか。
カタログにはスタンプ台が載っていた。
水分のある商品なので、なんとなくわかる。
このスタンプ台、ちょっとほしい。
商品のページは、昭和12年版は、中表示がカラーで製品の絵が描いてあり、これはなかなか珍しい。
図も色付けも丁寧で、見ていて楽しくなる。
中にペン先の箱が書かれているページがあったが、
このロゴは見たことある。
あれ?文房堂ブランドのペン先もあった??
と思ってカタログを見ると、「バンポー」となっており、作っているメーカーは東洋製鋼、現在の日光ペンだ。
きっと文房堂をリスペクトしたつけたロゴなのだろう。
眺めていたら、以前から疑問に思っていたものが載っていた。
アメリカのカタログで見つけて、修正テープなんだろうか、テープ糊なんだろうか、と思っていたのだが、説明を読んでやっとわかった。
破けたところを補修するテープだ。
くっつけるという意味では、テープ糊に近いが、補修用ということで、テープ糊でも修正テープでもない。
なーんだ、そうだったのか。
じっくり見ると、いろいろ面白いことが出てきそうだが、
今日はこのくらいで。