トンボ鉛筆の箱 ゴルフとNo.2400
とても素敵なトンボ鉛筆の箱を入手した。
GolfとNo.2400の箱だ。
Golfの箱は、HOPのロゴがかなり古いタイプで、デザインの感じから言っても
大正から昭和初期くらいであろう。(H.Oは創業者の小川春之助氏のイニシャル)
デザインだけでなく、色も素敵だ。
黒い方の箱は、昭和10年代と思われる。ライオン事務器の昭和12年のカタログに載っているのを見つけた。
デザインが完全に一致する。なお、箱に書いてあることを読むと、このNo.2400というのは、赤青鉛筆のようだ。
そして、このデザインのお手本となったと思われる鉛筆も同じカタログに載っていた。
A.W.FABERの鉛筆で、箱のデザインがよく似ているだけでなく、同じ赤青鉛筆だし、品番もNo.2400と同じだ。
当時、海外の製品をお手本にすることはよくあり、特徴的なデザインが再現されているのはよく見るが、こんなシンプルなデザインもしっかりお手本にされていたのかとちょっと意外に思った。
Golfの箱は空だったが、黒い方のNo.2400の箱には鉛筆が数本入っていた。
おそらく、Golfの箱はデザインがいいので、捨てられずにとっておいたもので、黒い方は、机上のペンケースの代わりに使われていたのではないだろうか。
この箱の鉛筆はなく、ほぼトンボ鉛筆以外のメーカーのものだが、
それぞれ興味深い。
コーリン鉛筆はマークの顔がちょっと変顔している。
トンボ鉛筆の硬度表記「BB」は2Bのこと。この書き方は戦前なので時代的にも一致している。
そして「CANNON」大砲鉛筆は大砲のマークが入っている。
鉛筆の軸のスペースに、ちゃんとそれとわかるイラストが入っているのを見るたびに
凄いなぁと感心するし、鉛筆のマークはユニークなものが多数ある。
こちらも硬度表記「BB」。
一番手前は、STEADTLERのコピー用鉛筆。
大正から昭和初期くらいの鉛筆だ。この鉛筆ちょくちょく見かけるので
コピー用の鉛筆としては、当時結構広く使われていたのではないだろうか。
コピー用鉛筆とは、書いた後を濡らすとインクになって、別の紙に移す(コピーする)ことができるタイプの鉛筆のことだ。
光を反射させると、芯が光っており、インクが含まれているのがわかる。
中身がなくとも、この箱だけでも見つけられてうれしい。
と言いつつ、箱につられて、鉛筆も出てこないかな。