輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

皇后鉛筆削り、その他緑の小さいやつ

海外のオークションで、日本製の可愛らしい鉛筆削りを見つけた。

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頭の緑色の部分は、ペラペラのセルロイドで、王冠のマークが入っている。
「CROWN」かと思ったら「EMPRESS」(皇后)だった。

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なかなかおしゃれなマークだ。


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高さ約6センチととても小ぶりだがハンドルで回すタイプだ。
どうやって削っているのかというと、
小さな鉛筆削りが入っており、それを回転させて削っている。

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普通、この小型の鉛筆削りは鉛筆側を手で回すが、これは鉛筆は回らないように手で固定し、
鉛筆削りの方を回している。
ちょっとしたアイデアだ。

ボロボロだが箱もついていた。

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メーカーなどの情報がないか、箱も本体もひっくり返したり
光にすかしたりしてチェックしたが、日本製ということ以外はわからなかった。
素材とデザインの雰囲気からすると、昭和30年代くらいに輸出されたものだと思う。

昭和レトロのテイストに、
海外でもがんばれそうな背伸びおしゃれ感を足したらこうなったという
昭和+欧米MIXな感じはかなり好みだ。


全然デザインは違うが、もう一つ小さな鉛筆削りを手に入れた。

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アメリカ製。何の柄も入っていないミドリ一色で、近代的なデザインが気に入って購入した。
一つ目小僧のような顔で「えんぴつけずりだーい!」と威張っているようで可愛らしい。
こちらもEMPRESSと同様、中に小さな鉛筆削りが入っている。

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箱もついており、商品名は「Airway」だ。


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1950~60年代だろうか。
この時期のアメリカの鉛筆削りのデザインは、いかにもアメリカらしい
シュッとしたカッコいいものが多い。

日本製のハンドル型鉛筆削りとのデザインの違いは、
文化、というか鉛筆削りの設置の仕方の違いから来ていると思う。

日本は、鉛筆削りをテーブルや台に固定するとは限らないので、
鉛筆を固定して刃に対して押し出す力を加える必要がある。
だから、どうしても鉛筆を挟んでばねで押さえつける部位がついている。

アメリカは鉛筆削りを基本どこかに固定してしまうのだ。
テーブルや柱、重い木の台など。
そうすると、鉛筆削りを抑えなくていいので、手で鉛筆を抑えられる。
その分、「鉛筆を挟んでばねを利かせる」部分が無くてもいいので
スッキリした形にできる。

どうも見ているとそんな感じだ。

ついでに日本の鉛筆削りも紹介しておこう。

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エルムの鉛筆削りで、少し小さいが中の刃は通常のハンドル式の鉛筆削りと同じ
らせん状に刃がついている円筒型だ。

小さそうだったので、どれくらい小さいかと思って入手した。
確かに小さいが、おどろくほどではなかった。

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小型の鉛筆削りが3つ、選んだわけでもないのにたまたま全部緑色だった。

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鉛筆削りの後姿が意外と好きだ。



で、
おまけのお知らせ。
Webマガジン「文具のとびら」に連載をさせていただいており、
今月は「小型鉛筆削りコレクション」
今日紹介したEMPRESSやAirwayの中に入っているような小さい鉛筆削りについて実物や
私の妄想などを紹介している。

がんばり過ぎて、長ったらしくなってしまったが、
熱を持って書いたので是非ご覧ください。