これとよく似た箱の画鋲は持っていて、確かレコード盤から作った画鋲が入っていた。
同じものなら要らないので、そのまま見送ろうと思ったが
一応中身を見てみることにした。
「この画鋲見せて」
「ああ、これはすごいよ。こんなのなかなかないよ。大中小あるんだから!」
え!それはすごい。見送らなくてよかった。
ざらっと開けてみると、確かにいろいろな大きさが。
私が持っているのは、小さいサイズのがたくさん入っているものだったので、
確かにこれは珍しい。
しっかりとレコード盤の溝もある。
紙のようなものが張り付いているのは、ラベルか何かだろうか。
ざっくりサイズ別に分けるとこんな感じ、かな。
ちょっと分け方適当だった。
大きさだけでなく、今回一番すごいのがこれ。
ラベルが残ってる!!!
今までレコード盤から作ったといわれても
今一つ臨場感にかけるなと思っていたが、ラベルがついていると
「レコードだ!」となって感動した。
おまけに「報国」とか書いてあるし。
上の中央のはレコードの小さい形のマークがはっきり見える!
「報国 二種 甲4」に富士山らしき山のマーク。
すごいなぁ。どういう意意味なんだろう。
そして、ラベル部分を打ち抜いて作ったとしたら、反対面もラベルのはず。
はい。ちゃんとラベルになっている。
下の「MAD」はMADE IN 「TOKYO」とか「JAPAN」などだったのだろう。
どういうレコードだったのかまではわからないが、
とにかくとても貴重な資料だ。
残っていたことに感謝だ。
そして同じお店で、「これもあるよ」と小さな箱。
画鋲の箱と言われたが、よく見るとちょっと違うようだ。
画鋲座???ってなんだ???
「画鋲ノ完全ハ画鋲座ノ使命」
なんだそれ?画鋲の監査役か指導員のようなことが書かれている。
特長
・画鋲ノ押力ノ増加
・使用セバ優美
・抜き取りノ容易
ますますわかるようなわからないような。
中身はなかったので、現物を確認できない。
そういう時に役立つのが実用新案の申請内容だ。
そう、箱の表に「実用新案特許第174789」とある。
調べてみるとこんな図が出てきた。
本文の説明を読むとゴムでできたもので、画鋲の下に挟んでとめるようだ。
穴が開いているので、位置を決めやすく、ゴムで凹凸があるので、しっかり押さえられ、紙を傷めないるなどの
説明が書かれている。
なるほどなるほど!
いつも思うが、昔から本当にいろいろな発想があって
いろいろなモノがあったんだなぁと。
実用性はともかく、昔の創意工夫って
時代感が出ているところも面白い。
画鋲関連はかなり集めたつもりだが、まだまだ面白いものが
出てきそうだ。
2019/3/18 追記
この記事を読んだ中村文具店さんから
「当時のレコードはエボナイト製で割れやすかったので、割れたレコードを再利用したのでは?」という
情報をいただきました。
「レコードは画鋲より高価だった」そうなので、確かに画鋲のためにレコードをつぶすことはしなかったかもしれないなと。
ご参考まで!