何年も前から持っていたのですが
ブログでは紹介していませんでしたね。
最初見たときは「金属製のコンパスの前に作られたもの」かと思い
とても古いのかと思ったのですが
コンパスは明治時代から金属製の物が作られているのと、
公定価格のマークがあるので戦時中の物資不足の際に作られたものだと
しばらくしてから気づきました。
ちなみに実用新案願の番号がありますが、登録記録を見けることはできませんでした。
戦時中の代用品によくある、代用素材のいいところをアピールする
その時代の強がりみたいなうたい文句は
今見ると味がありますが、当時は大変だったのだろうなと。
国民学校とあるので昭和16年から昭和22年の間ですね。
でも第二次大戦が終わる前のものだと思うで
昭和20年までの物でしょう。
なぜ入手してからいまごろ出してきたかというと
この竹のコンパスはとても珍しいものだと思っていました。
が
違う竹のコンパスを見つけました。
最初、コーリンの竹製コンパスと同じものかと思ったのですが
こちらの方がシンプルなつくりです。
そして鉛筆を固定する部分に薄く文字が残っていました。
見えないですよね。
ルーペを使って光の角度を変えながらなんとか読み取ったのですが
「八九三九」とあります。
反対側には
「○用新案」と読めるので「実用新案」でしょう。
調べたら出てきました。
昭和16年に出願、登録されています。
そうか、コーリンの竹製コンパスよりきっとこちらが先だったのだ!
と勝手に納得していたのですが、もう少し調べてみたところ特許データベースに
竹製のコンパスがいくつも登録されておりました。
どれが先とかいう問題ではなく、
金属が不足した時に同じことを考える人がたくさんいたようです。
厳しい時代だったとはいえ、
色々な人が「金属がないなら竹があるじゃないか!」と言わんばかりに
竹製コンパスを考えて実用新案登録を申請していたというのは、
面白いですね。
出願だけで、登録まで行かなかったケースも多いでしょうから
何十件かはありそうです。
さらにこのタイミングで、骨董市にこんなものがありました。
これはメーカーも実用新案等の番号もなく、全くの素性不明商品ですが、
同じ時代に作られたものでしょう。
肩があると言いましょうか。
軸に直接腕?足?がついているのではなく。短い方のようなものがついている形が
可愛いです。
こんな風になっています。
竹製コンパス、まだまだ出てきそうですね(笑)