竹製穴開け器
珍しい道具を見つけた。
一穴パンチ、と言えばいいのか。
先端のとがった金属の棒で、紙に穴を一つ開けるものなので、
一穴パンチで間違ってはいないと思うが、
現代のパンチのように丸い穴が開くわけではない。
竹製でよくできているが、商品ではなく器用な個人が作ったものかもしれない。
普通個人の手作り品はあまり興味は持たないのだが、
これは面白いと思った。
モノ自体が面白いところもあるが、
海外から来た文具・事務用品とは違って
日本らしい道具という気がしたからだ。
海外では割ピンパンチというものがある。
*割ピンパンチ
これは紙に穴をあけて割ピンを通すための道具だ。
中央の先端がとがった金属の棒は平たいので、紙には縦長の穴が開く。
竹製の穴開け器もこれと同じようなものだが、日本の場合はおそらく穴に通すのが割ピンではない。
紙のこよりだ。
日本にも明治時代から割ピンは来ていたが、紙を閉じるのに使われていたのは
割ピンより「͡こより」であろう。
この竹の穴開け器が海外の割ピンパンチを参考にしたかというと
その可能性は低い。
割ピンパンチはほぼ日本に入って来ていないか
あったとしてもごく一部だ。
それに紙に穴をあける道具として、日本で昔から主に使われた道具は「目打ち」がある。
最近は見かけなくなったが、一昔前は各家庭や事務所に1本くらいはあった道具だ。
だから目打ちで紙に穴をあけるのが嫌になった誰かさんが
自作したものだろうと踏んでいる。
割ピンとこよりという違いがあるにもかかわらず、
欧米と日本で同じような道具が作られていることを
面白いなと思うのだ。