鶏金具の真鍮コンパス
こんなコンパスを買った。
開く角度を真中の金具で調整するタイプだ。
そしてその金具が鶏の形をしている。
骨董屋さんがこれを見せてくれた時に、
「ニワトリの」と言っていたのだがその時は何のことかわからず、
コンパスの細い感じとニワトリの足が似ているというような意味だと思った。
その後コンパスに実用新案の番号などがついていないか見ていて
金具が鶏の形をしていることに気付いた。
この筆記具を止める部分のねじも何かの形のようだ。
花か太陽などではないかと思うが、つぶれてしまっているようで
何かは特定できない。
そしてこの鶏の金具は細かいところまでよくできている。
スライドするときはこの位置。
外れないように爪で抑えられている。
ねじになっているので、開き切らずに止める場合は
鶏を回して締めて固定する。
開き切って止める場合は
鶏の金具を回すと爪の部分がスライドさせる柄の切れ目にハマるようなっている。
嵌ったところ。
カチッという感触があり、これで固定される。
とてもしっかりした作りで、素材は真鍮製だろうか。
実用新案などの番号がなく、時代ははっきりわからないが
このつくりは明治から大正ではないかと思われる。
閉じたところはこうなる。
筆記具をつけるほうの足が丸く湾曲しているところも
つくりの丁寧さを感じる。
私は日本の古い文房具の、こういう細かい部分まで形や機能にこだわって
よく作ってあるところが大好きだ。