輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

100年前の消しゴムの木製カバーについて

今月より「文具のとびら」という文房具のサイトで、
月1回の連載をさせていただくことになった。

おおよそ100年前の文房具について紹介をしていく。
第1回目は「幻の鯨印消しゴム」。
なかなか見つからない鯨印消しゴムについてと
100年前の消しゴムについての記事だ。

その記事を書くに当たっていろいろ調べたり、
消しゴムコレクションを引っ張り出したりしていたが
そこでちょっとした発見があった。

文具のとびらの記事に入れようかと思ったが
横道に逸れる感があったので敢えて記載を見送った。

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ヨハン・ファーバーの木製カバーの消しゴムである。
実は前から不思議に思っていたことがある。
木のケースの消しゴムを10個以上集めたが、
未使用、使用済みどちらもケースから消しゴムが外れないのだ。

いくら古くて硬くなっているとはいえ、
抜け落ちていたり、ケースだけのものが出てきてもいいのではないか。

とは言え、貴重で大好きな木製カバーの消しゴムである。
破損したりしたらもったいなくて仕方ない。


。。。。とずっと思っていたが、写真のヨハン・ファーバーの消しゴムは
同じものがいくつか手に入った。
これは一つくらいダメになってもコレクション的には痛くない。

試しに一つ暖かいところに置いてしばらく様子を見ると
鉛筆用の消しゴムが少しやわらかくなってきたので、
思い切ってぐりぐり回したり、引っ張ったりしてみた。


すると

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外れた!

ん?これはどういうことだ?
中で消しゴムがちぎれたのか?

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ちがう。消しゴムはちぎれたのではなく、もともとこのサイズだ。

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消しゴムが入っているのは、ケースの端の方だけで、後は木のケースだ。
それに接着剤でくっつけていたのだ。

つまり、このような鉛筆用とインク用がくっついた消しゴムにカバーをかけているのかと思っていたが、、

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そうではなかった。消しゴムはもともと別々にケースに入っていたのだ。


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つまりこのように間にケースが挟まっていて、
それに消しゴムがくっつけられている構造だ。

思えば、なぜカバーがあるのか不思議だった。
今のプラスチック消しゴムはカバーをしていないと
他のモノにくっついてしまうのでカバーやケースが付けられているが
天然ゴム製の消しゴムは基本それは必要ないはず。

飾りかと思っていたが、
恐らくある程度大きさのある鉛筆用、インク用という種類の違う消しゴムを
くっつけておくのが難しかったのではないか。
それで木にくっつけて、外から保護するという
つまりジョイントパーツ兼カバーである。


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些細なことだが、消しゴム好きの私にとっては
目からうろこの発見である。

ああスッキリした。

というわけで、文具のとびらの連載の方も
まだご覧いただいていない方は、是非ご覧ください。

力いっぱい調べて、力いっぱい書きました!


どうぞよろしくお願い致します。