輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

A.W.FABER 1873 硬度違いの鉛筆セット-ブログ10万アクセスに感謝!-

ブログのアクセス数が10万を超えました!
ありがとうございます。

始めた当初は1日20~30件、月1000件行かないくらいで、大体年間1万件位でした。
TBSラジオ「日曜天国」に出していただいたあたりからアクセスが伸び、
6年とちょっとで10万アクセスとなりました。

いつもご覧いただいている皆様、ありがとうございます!
最近ちょっと更新遅めですが、これからも地道に続けていこうと思います。


さて、この先の10万アクセスに向けて今日は鉛筆をご紹介します。

イメージ 1

A.W.FABERの鉛筆です。

イメージ 2

3B~2H迄、硬度違いの7本の鉛筆がセットになっています。

箱の説明を見ると

イメージ 3

このシリーズはいくつかのバリエーションがあり、
最大4B~4H迄の10種類の鉛筆や
それに消しゴムやナイフなんかもついているバージョンもあるようです。

以前教えてもらった1897年のA.W.FABERのカタログを見ると
これかな、というのが載っていました。


ナイフや消しゴムが入っているのが掲載されています。

消しゴムいいなー。(笑)

これ、鉛筆にエンボスされた文字がとても美しいと思うんです。

イメージ 4

品があって、この鉛筆使うと字がきれいに書けそうな気がしてきます。
文字が黒ずんでいますが、元が銀色の箔押しだったかと。

箱は木でてきており、外見はこうなっています。

イメージ 7

こちらは金の箔押しだったと思われますが
余り凹凸がなく、はがれてしまっています。

もともと似たタイプの箱だけ持っていたのですが
鉛筆が入っているのをやっと入手しました。
たまに出るのですがとても高額になってしまうことが多く
海外のコレクターさんたちの戦いを傍観しておりました。

もともと持っていたのはコチラ

イメージ 5



イメージ 6

並べると結構違いますね。
質感というか作りはもともと持っていた(写真上)の方がよくできています。
よく見ると写真上の方は布のようなものに模様や文字をエンボスしています。

多分、もともと持っていたものの方が古い気がします。

イメージ 8

内側です。
写真上の箱に入っている鉛筆は、それなりに古いものですが
この箱のオリジナルではありません。
送られてきたときに入っていたのでそのままにしています。

そして、古いと言えばこの鉛筆はいつの時代でしょうか。
今回入手した鉛筆には、とてもうれしい手掛かりがありました。

イメージ 9

何か書いてありますよね。


イメージ 10


文字の方は殆ど読めません。
最後に「Sing Sing」と書いてあるらしいのがかろうじて読めます。

そして左端が重要。

イメージ 11


日付です。
Dec.4.1873か1893か。

ちなみに
箱の中にも書いてありました。

イメージ 12

こちらは箱の裏より見やすいのですが
もともと英語力がないのでわかりません。
(読める方、なんて書いてあるか教えてください!)

そして右端の日付、
Dec.4.1873に見えますが、そうすると143年前の鉛筆セットということになります。

そんなに古いのでしょうか?

他の手がかりを探します。
実は軸の「A.W.Faber」と刻まれた裏に違う事も刻まれていました。

 

イメージ 13

イメージ 14

E.FABER 133 William Str N-Y

Eberhard Faber ニューヨーク、ウィリアムストリート133番という住所のようです。
調べるとウィキペディアに記載がありました。


これによるとドイツ生まれのジョン・エバーハード・ファーバーは
1849年頃アメリカにわたり、ウィリアムストリート133に拠点を構え
1877年に転居しているようです。

おー!ということはこの鉛筆は1873年のものですね!
143年前!!すごい!
日本でいうと明治6年。明治5年頃から舶来品の文房具がいろいろ輸入され始めているので
その頃のものです。

私が持っている古文房具の中で
一番古いものです、これ。

ということは、芯の形が気になりました。

鉛筆の後ろはまっくろに汚れてみてもよくわからないので
きれいにしてみました。

ああやっぱり。

イメージ 15





四角い芯です。
太さや形が少しづつ違っていますが、右端の太いのは3B、左端の細いのは2Hなので
硬度に合わせて芯の太さを変えていたようです。

よく見ると気づいた点が。

イメージ 16

軸の切れ目に注目です。
真中で分かれているのではなく、上の部分で分かれており
芯を入れた軸にふたをするようなつくりになっています。


イメージ 17


こういうことです。

芯に合った太さに溝を掘る方が、大変そうな気がするのですが。。。

面白いですね。
この鉛筆は「軸にエンボスされた文字の形が素敵!」というレベルではなく
とても貴重な資料だと思います。
(といいつつ、ステキさも重要。)

四角い芯と言えば少し前に苦労して手に入れた四角い芯の鉛筆が。

イメージ 18

これです。
詳細はこちらをご参照ください。

この鉛筆の軸はどこで切れているか改めて見直します。

イメージ 19

こちらはふたをする感じではなく、真中で分かれています。
今回手に入れた鉛筆とこの鉛筆では30年程時代に差があるので
その間に製法も変わったのでしょう。
芯の形もこちらの方が整っているように見えます。

そうそう、もう一つ。

今回入手した140年前の鉛筆ですが、
通常かなり高額なものです。

少し前に同じシリーズの10本未使用のものがオークションに出品されており
「無理!」という金額で落札されていました。

今回のこのセットもスタート価格が低かったものの
無理だろうと思って一応入札していたのですが
あっという間に別の方に高値を付けられてしまいました。

そこであきらめていたのですが、
終了前日にオークションサイトから連絡が来たんです。

「Topの入札者がキャンセルしたので、あなたがTop入札者となりました」

え!ホント!?これはもしかして。。。。。。

と思っていたら、なんと私のものになってしまいました。
それも相場からするとかなり安い価格で。

他の人がキャンセルして私のものになったのはこれで2回目。
先ほどのピンクの帯の四角い芯の鉛筆と今回の鉛筆セットです。

ちなみに入札している人がキャンセルすることなんて基本はありません。
先ほども書いた通り、わたしはこれまでたった2回、それがこの四角い芯の鉛筆2つです。

時代と国は違うといえ、同じA.W.FABERの四角い芯の鉛筆という所に縁を感じます。
仲間が少なくなってきて、一緒にいたかったのでしょうか。


イメージ 20

あなたたち、お知り合いですか?


不思議ですね。