輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

三角四角六角 イギリスの鉛筆

イギリスの鉛筆を買った。

前から欲しかったのや、ちょっと気になって買ったのとか。


まずこれ。

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塗装のない軸に文字やマークが入っているとてもシンプルな一見普通の鉛筆だ。
一つは「INTERNATIONAL EXIBITION 1862」と刻まれている。
調べたら「ロンドン万国博覧会」のことで、日本が初めて参加した博覧会らしい。
この鉛筆が1862年の物かはわからないが、かなり古いものなので1860年代から70年代とみていいのではないかと思う。
日本は、江戸時代から明治に移行するころだ。

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TRADE MARKは鉛筆かな?
少し見づらいが、鉛筆に鉛筆がエンボスされているところがかわいい。

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もう一本はWinsor And Newton。イギリスの有名な画材メーカーだ。
Winsor And Newtonの鉛筆ってあったんだ。
考えてみれば色鉛筆があるので普通の鉛筆があってもおかしくはないのだか
見たことなかった。

よく見るとWinsor And Newtonのブランドマークのグリフィンがちゃんといた。

「BB」は2Bを表す。
グリフィンはなんだか簡素化されているうえに、むちっとしててかわいらしい。

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そして「EXTRA CUMBERLAND LEAD」と書かれてる。
イギリスのカンバーランド地方は鉛筆芯で使う黒鉛の産地で、鉛筆の故郷のようなところだ。
Wionsor And Newtonの鉛筆にこんな表記がついていると、これはとても良質な芯の鉛筆なのではないかと思うのだが、どうだろうか。

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そのEXTRAな芯はどんな芯だろうか。
これである。

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右の四角い芯がWinsorの芯、左がロンドン万国博覧会の芯だ。

この四角い芯、もともと鉛筆の軸が太めということもあり、迫力があっていい感じだ。
そして左のロンドン博覧会のほうは芯こそ丸くてごく普通に見えるが、この鉛筆2本は共通点があった。
(ちなみに別々に入手した)

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さっきの鉛筆の反対側だ。

分かるだろうか。この鉛筆は2本とも反対側まで芯が貫通していないのだ。

なぜ貫通していないのかはわからない。
だた、持つ部分を考えるとどうせ最後まで使い切らないから
全体に芯が入っている必要はないともいえる。
それなら全体に芯を入れなくてもいいのではないか?という考えだったのだろうか。

イギリス以外で鉛筆が作られる迄、芯となる黒鉛は貴重品だった。
そんなことも関係しているのかもしれない。

どの辺まで芯が入っているかが気になるが、、、、
貴重過ぎて中を開けるなんてとてもできません!
いつか山ほど手に入ることがあったら分解してみたい。



次はこの鉛筆。
これも他の鉛筆とは別で購入した。

万年筆のONOTOを調べていたら出てきたので
面白いと思って買っておいた。

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BRIDGE PENCILとあるので、トランプのブリッジ用かな?
この鉛筆は三角の鉛筆だ。

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今も三角の鉛筆はあるので、珍しさに欠けるかもしれないが、
恐らくかなり古いものなので、それなりに頑張って作られたものだ。

芯が四角かったり、鉛筆自体が三角だったり、いつの時代もいろいろなものを作りたがるところが
面白い。


そしてもう一つ。これと同じようなものが欲しくて、しばらく探していた。
何とか手に入り素直にうれしい。

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これもWinsor And Newtonの鉛筆で、
最初に紹介した四角い芯の鉛筆と同じ入手経路だ。
シンブルな塗装に金色の文字がいまもきらきら光っている。
この鉛筆の最大の特徴はこれ。


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分かっていただけるだろうか。
パッと見て特に何も感じないかもしれない。でも、なんだか違和感を感じませんか?

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この鉛筆は芯が六角なのだ。
よくまぁこんな鉛筆を作ったものだ。

六角芯の鉛筆はオークションで年に数度レベルで、見かけることは見かける。
メーカーも何社か見かけたので、六角芯の鉛筆を作ることを競っていた時代があったのだろう。

100年以上前の差別化の手段だったと思うと、
なかなか愉快である。


今回は以上だ。
たまたま珍しい鉛筆が続けざまに手に入った。

こういう珍しいものはそれ自体が魅力であると同時に
「探せばもっといろいろなものが出てくるのではないだろうか」
そんな期待を抱かせてくれるところが好きだ。

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