輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

女の子の「書かない学習帳」


文具のとびらの連載「文房具百年」で2か月にわたりノートのことを書いたので、
自分としてもおなか一杯、もうしばらくノートはいいかなと思っていたが、
そういう時こそ目に付いてしまうもの。

イメージ 1




こんなノートが目について、使い込んであるのでボロボロだけど
明治時代というのと、お裁縫のノートというのが気になって入手。

中は和服を作るときの布の裁ち方やサイズなどがこまごまと書かれている。

イメージ 2


こうやってみると、和服って布をとても効率的に使っているんだなぁと
文房具に関係ないところで感心した。


イメージ 3

裏表紙には時間割があり、日付の年号は明治。
「倹約」と大きく書かれた文字が生活感漂っていて面白い。

「これください」
「あ、これ、これね~」
とちょっと考えを巡らせる風の表情。
え、もしかして高いの!?
この状態なら二束三文でしょうが、普通。。。

とちょっと身構える私。

「これね、買うならこっちも持っていきなよ」
と渡されたさらにボロボロの紙の束、というかノート。

イメージ 4


大正三年「かがり見本」。

「これも同じ人なんだ。一緒にしておいてよ。」
なるほど。そういわれるとちょっとその気になる。

「中はパターンの練習したやつで、ちょっとかわいいんだ」

と言われ、中を見ると

イメージ 5

あらほんと。刺繍のパターンの練習したものが貼ってある。

そうか。女の子は学校の勉強で裁縫を学習するからね。
ということはこれは文字は書いていないけど、女の子にとっては立派な学習だ。

ノート=書くもの、となるが、こういうスクラップブックのようなノートの使い方も
昔からあったんだなぁ。

あと、刺繍がやっぱりかわいいので、これは一緒にしておかねばと
結局両方とも資料としてうちにやってきた。

イメージ 6
そんなにうまくなくて、一生懸命練習している雰囲気が伝わってくるような、そんな「かがり見本」。

イメージ 7


状態はそんなによくないけど、
明治時代のノートの使い方例としては十分だし、それにやっぱり可愛い。

それにしても、ノートはなかなか奥が深い。

ついでにお知らせです。
Webマガジン 文具のとびらの連載「文房具百年」の7,8月は
「学習用ノートとノートのようなもの」でした。


また読んでない方は是非!