輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

木製ロケットペンシル

ロケット鉛筆を知っていますか?


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ロケット鉛筆とは、あらかじめ削ってある芯の部分を軸の中に入れて、
先端が丸くなったら後ろに回して次の尖った芯を出して使う筆記具です。

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これは少し古いデザインですが、
こんな感じです。

今でも売ってますよ!


そのロケット鉛筆の一風変わったものを見つけました。

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一見短くなった鉛筆に、とても長い補助軸を付けているように見えますが、、、



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中はこうなっています。

はい、短い鉛筆状のものが詰まっているんです。

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仕組みは同じ。後ろから差し込むと

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一番先端のものが外れます。

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後ろから入れた物が落ちないように
軸で止めています。

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それぞれの鉛筆は後ろに穴が空いています。
鉛筆ですと、真中に継ぎ目があるのですが
これは見当たりません。
どうやら鉛筆と同じつくり方ではなく、
丸く削って穴を開け、そこに芯を差し込んでいるようです。

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芯は、使用されたものが入っていることもありますが
長さはバラバラ。でも少し引っ張っても抜けることはないので
接着してあるようです。

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こうやってみると、ぎりぎりまで使って短くなった鉛筆みたいですね。

切り口はあまりまっすぐではなく、立ててみるとどれも微妙に傾いています。

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ボロボロですが、ちゃんと箱に入っていました。


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恐らくこういう感じで箱にセットされていたと思います。
それに中のリフィールもたくさんあって
ああよくぞ残っていてくれた!と思いました。

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箱には
SOUNEVIR OF THE WORLD'S ・・・FAIRでしょうか
The Ever Pointed Pencil 
Made of California Gum Wood

と書いてあります。
これは「ロケット鉛筆」ではなく
「Ever Pointed Pencil」という名前の商品のようです。

さて、いつの時代のもので、メーカーはどこでしょうか?

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軸に刻まれている文字があるのですが
薄くてよく読めません。

何枚かの写真から読み取れる文字から推測すると

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多分
AMERICAN LEAD PENCIL

でしょう。

AMERICAN LEAD PENCILの歴史について
詳しくはわからないのですが、
AMERICAN LEAD PENCILはのちにAMERICAM PENCILとなったようで
社名に「LEAD」が入っているものはかなり古いように思われます。

100年とか経っているかもしれませんよ!


ロケット鉛筆は昭和のナツカシアイテムのイメージが強くて
戦後にできたものだと思っていました。

筆記具の中でもすきまアイテムというか
歴史など気にしたこともなかったのですが、
実はとても古いものでした。

過去に作られたものが
ずっと残っていて今の形になったのか
まったく別物で、たまたま同じことを考える人が
いつの時代にもいたという事なのか

詳しいことはわかりませんが、
昔の人もこんなことを考えて、がんばってこれを作ったんだと思うと
親しみを感じます。

だって、木を削ってこれをつくるの、相当大変だと思いますよ!

モノ自体も「プラスチックがない時代に作ったらこうなった」という
木製の質感や無理やり感が
何とも微笑ましく、楽しい古文房具です。



ロケット鉛筆、知らない方は是非この機会に覚えてくださいね。

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