大正時代の消しゴム付き鉛筆の消しゴムの長さ
消しゴム付き鉛筆というと、鉛筆の後ろに金具で小さな消しゴムがくっつけられているのを
思い浮かべるだろう。
ところが明治から大正頃に流行った「消しゴム付き鉛筆」は、ちょっと違う。
鉛筆の芯と同じように、消しゴムが木の中に埋め込まれているのだ。
削ってある方が消しゴムで、削っていないほうが鉛筆だ。
消しゴム側を削っておかないと、消しゴムであることがわからないから
こうなっているのではないかと思う。
先端だけアップするとこうだ。
消しゴムは白っぽい天然ゴムの消しゴムが組み込まれている。
アメリカのEAGLE PENCIL140番がこのタイプで、明治時代に日本に入ってきて人気商品だったことから
それをお手本にした商品を各社で作っていたようだ。
このタイプの消しゴム付き鉛筆は複数種類持っているが、これは澤井商店の鯛印鉛筆。
余談だが、澤井商店の商品には以前から興味を持っているのと、
私のハンドルネーム「たいみち」は、著書の台湾版では「鯛迪」と漢字をあてていることもあり
「鯛」がでてくると身近に感じるというか、一段テンションが上がるのだ。
かなり薄れているが、ちゃんと鯛がエンボスされている。
澤井商店の名前も入っている。
で、このタイプの中身というかどこまで消しゴムで、どこから鉛筆かが気になっているのだが、
貴重なものなので、削ったり割ったりがなかなかできない。
だが、先日その謎を解明するものを見つけた。
真崎大和鉛筆、今の三菱鉛筆だ。
中身から察するに大正から昭和初期くらいのサンプル用のボックスと思われる。
ただ、中には三菱鉛筆でないものも入っている。
ここに入っていた鉛筆は、よく見ると一つ一つ興味深いものが多いが、
この場はとりあえずこんな感じというご紹介のみ。
そして中に三菱鉛筆の140番の消しゴム付き鉛筆が入っていた。
2本入っていたのだが、1本は消しゴムが抜け落ちてしまっていた。
残念といえば残念だが、1本は無事だし、これで消しゴムの長さがわかりそうだ。
竹ひごを入れて、印をつけてみた。
さぁ、何センチか。
おっと、だいたい1cmと思ったよりずいぶん短い。
ということは、後ろに金具でつけられている消しゴムとだいたい同じくらいか。
なんとなく半分か1/3くらいの長さがありそうな気がしていたが
予想以上にちょっとだけだった。
中を除くと。。。
写真がうまく撮れていないがわかるだろうか。
消しゴムが入っていたと思う部分のそこに一回り小さい穴がある。
これは鉛筆の芯用の穴だろう。
ただ、消しゴムのところまで芯が届いていないのは、
もともとそうなのか、折れて抜け落ちてしまったのか。
それに、この消しゴムの長さは一般的なものなのか、または各社異なっていたのか。
一つわかると別の疑問が湧いてくる。
少しまとまってこの手の消しゴム付き鉛筆が手に入ったら
割るか削るかで消しゴムを取り出してみようと思う。
今日のところは「消しゴムの長さ1cm」というご報告まで。
え?
鯛印鉛筆、3本あるから1本割れば??
いやいや、たいみちとしては鯛鉛筆は傷つけたくない。
違う140番が、バラでまとまって出てきたときのお楽しみということで。
EAGLE PENCIL 140