新社会人になった方や、職場環境が変わった方など
文房具も新しくしたのでしょうか。
私は新しい文房具の紹介はできませんが
デスクの上を整理するちょっと素敵な引出しをご紹介しましょう。
紙でできている高さ10センチほどの小さな引出しです。
爬虫類の革のように見えますが、
よくできた印刷です。
この引出し、目を惹いたのはまず上蓋の裏側のイラスト。
とてもきれいな色合いで、上品な雰囲気の絵が描かれています。
そして左下にはこの引出しのメーカー「American Lead Pencil」の名前があります。
American Lead Pencilはアメリカの老舗鉛筆メーカです。
鉛筆メーカーが作ったものという点も
私としては惹かれるポイントです。
また、中身がいい。
入っているモノ一つ一つが可愛らしいのですが、
実際にそれらが実用品として使われていたことが分かる状態の物たちがたくさん入っています。
上の仕切りトレイ、というのでしょうか、蓋を開けたところに入っているものです。
小さい刷毛に、丸く巻いてあるのは金属製のメジャーです。
細長い三角は金属製の細かい目のやすり、
左上は、シャープペンシルのパーツでしょうか。
5円玉のようなものは何かのパーツが外れてしまったのを取っておいた、みたいな感じのもので
よくわかりません。
とても小さな磁石に、水晶のような石片。
これをデスクに置いていた人は、どういうお仕事をしていたのでしょうか?
多分何か小さいものをつくったりする方だったのでは?とイメージが勝手に膨らみます。
平たい鉛筆に、細くて小さい、紐のついた鉛筆。
これらは舞踏会の鉛筆にも通じるところがありますが、
多分この方は仕事で普通に使っていたのでしょう。
丸い鉛筆はどれもひもを通せるように
リングや穴がついています。
右上のもったりしたシルエットの鉛筆のようなものは擦筆(さっぴつ)で
絵を描くときなどにぼかすために使うものです。
デザイン画などを書いていたのでしょうか。
消しゴムがありませんが、刷毛はもしかすると消しゴムのかすを
掃ったりりしていたのかもしれません。
EBERHARD FABERにDIXON、ともにアメリカの老舗鉛筆メーカーです。
この上の鉛筆はEBERHARD FABERの刻印失敗版ですね、恐らく。
この鉛筆がよくわからないのですが
「ngagements」は読めるので
恐らく「Engagements」 -約束-と書いてあるのだと思います。
この鉛筆を見る限り、時代は1920年代とか1930年代とかだと思います。
そして下にある引出しがまたかわいいものがぎっしりで。
ラベルやピン類が入っています。
色々なサイズの割ピンに、クリップ。
割ピンはこんなに足が短いものや細いものを
始めてみました。
四角い頭の割ピンも古い時代に使われていたもので
貴重です。
割ピンは日本では今一なじみがありませんが、
今もあるものです。
ただアメリカではオークションで「Paper Fastener(紙締め具)」と検索すると
まず割りピンが出てくるので、たいへんよく使われているようです。
とはいえ、見かけるのは大体同じような大きさのものなので
このあたりの小さいもの、細いものは珍しいですよ。
そしてラベル類も入っていました。
水糊なので丸まっていますが、
そこがまたかわいいのと、印刷のザラっとしているところが
アメリカの大雑把感が出ていていい感じです。
この金具がついているラベルは
布のようなものをコーティングしてあるようです。
どういう所で使ったのでしょうね。
パッと見た印象が「便利そう」なので
こちらが道具に合わせるというか、便利に使う方法を一生懸命考えてしまいます。
「使える」より「使いたい」が勝っているタイプです。
そして撮影をしていて気付いたこと。
下の引き出しは、トレイ部分をそのまま取り出せます。
使っている時はこのままデスクの上に置いてもいいですね。
隠し引き出しなどないか、念のため確認すると。。
あれ、何か挟まっている。
クリップでも落っこちたのかと思い、引っ張り出してみると。
カギが出てきました。
この引出しを使っていた本人がわざと隠したようです。
何のカギなのでしょう。
デスクの引き出しのカギでしょうか?
気になりますが、今となっては何もわかりません。
この引出しを使っていた方は、多分女性で
何か小さなものを作るようなお仕事をしていて
何かをカギをかけて管理しており
時代としては70~80年前。
漠然としていて想像を膨らませてもストーリーにはなりませんが
こんな情報のかけらから
この小引出しとその中身が、当時ちゃんと道具として使われていたことが
よくわかります。
引出しと中身とその時代の存在感が好ましくて、
自分の会社のデスクの上を
少し見直してみようかと思いました。