文具女子博#インク沼というイベントまで開催されるようになったようで。
先日、インク沼ではなく「インクラベル沼」みたいなスクラップ帳を入手した。
インクのラベルだけではなく、他のラベルもあるが、インクのラベルがある意味において
ハイレベルなのだ。
こんな風に他のラベルと一緒に張り込んであり、文房具のラベルはインク以外はこのページの封筒のラベルくらいだ。
まずここで「大君インク」。聞いたことないぞ。
次のページから、この方の面白さがにじみ出てき始めている。
「トンボ鉛筆のインクもあったんだ。ふーん。」
と思った方、甘い!
トンボ鉛筆ではない。
下に小さく「GENBUN」とあるのがおそらくこのインキのメーカーであろう。
ちなみに下の「朱インキ」の説明に「よく振って書いてください」とあるのが興味深かったので拡大してみた。
つまり沈殿しているようなインクだったのだろう。
さらにその下のラベルをパッ見て
甘い!
アテナではないよ、忠勇インキだよ。
さらに続く。
古い文房具について少し詳しい方ならピンとくるのがこちら。
以前市川鉛筆という当時の大手文具メーカーが「月星」というブランドで文具を展開しており、
それを意識したのであろう。
ツキサギって、きみ誰??
ちなみにここにある「SOGO INK」はあの百貨店のそごうだろう。
このラベルの中で唯一身元がはっきりしているラベルかもしれない。
これは有名メーカーをお手本にしたのではないだろう。
ただ、かなり珍しい。
そしてまだ続く。
セーラーではない。SAILなのだ。
ちなみにこのマークは大正時代にあったアルバトロスという消しゴムのマークによく似ている。
この安全インキ瓶というのは、どういうものか見てみたい。
というのとは別にインクの名前としては、「VENUS」はアメリカの鉛筆メーカーのブランド名で、
日本にも多数輸入されている。
「KAKUSAN」のネーミングとマークがまた何ともいいところをついている。
国産に見えるよ、これ。
マークは戦前にあった全国購買組合聯合会の文房具の「クミアイ」マークとそっくりだ。
信販購利組合というのもあったようだが、「クミアイ」文具とは別物だろう。
ということで、以上だが、お気づきだろうか。
有名どころが一切出てこない。
これを集めていた人は、単にインクラベルを集めていたのではなく
有名どころではない珍しいものと、有名メーカーやブランドにあやかっているものを
集めていたのだ。
おそらく戦前のコレクションだろう。
そのころにこの視点でモノを集めていたというのは
とてもレベルが高いというか、センスがいいというか。
この方とお話してみたかったな。
きっととても面白い話が聞けたことだろう。
★☆★ お知らせ ★☆★
来週6/30(日)のTBSラジオ 「安住紳一郎の日曜天国」に
出演します。
きっかり1年半ごとにお声がけいただき、ほんとありがたいことです。
大体11時くらいからの出演になると思いますので
よろしくお願いします。
関東以外のエリアでは、インターネットラジオ「radiko」で聞けますよ~
おまけ
連載「文房具百年」筆箱その3
もUPされました
そちらもよろしく。