輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

黒板消しと石盤拭き

地道に骨董ジャンボリーで入手したものについて書いているわけですが
今日は黒板消しのご紹介。

骨董ジャンボリーで展示をしていた際に、
台湾の文房具ファンの方がいらして、古い黒板消しを下さったんです。

イメージ 1


サイズが分かるように撮らずに失敗したと思ったのですが
撮りなおしていると、また後日になってしまいそうなのでこのまま突き進みます。

これ、手のひらサイズの小ぶりで可愛らしい黒板消しなんです。
ぷっくり丸々しているところも愛嬌があります。

持ち手側、というのでしょうか、反対側の柄もいい雰囲気です。

イメージ 2


これは何かのイベントに出品されたもののようですね。
「堅固耐用」の表記が日本の古いものにもよくある強気な感じが出ていて
面白いです。

さすがに黒板消しは集めていないのですが、
実は一つ日本の古い黒板消しを持っています。

イメージ 3


この黒板消しは通常のものより一回り大きいサイズのもので
「粉が飛ばない」実用新案特許を取得したようです。
残念ながら記載されている番号からは検索できず、時代も不明ですが
なかなかの珍品だと思います。

イメージ 4


大きい方は拭く面に切れ込みが入っているので
ここでチョークの粉を集めて飛ばないようにしている、と思われます。

黒板消しは今のところ蒐集対象にしないつもりですが
たまたま手に入った二つの黒板消し、
なんというか懐かしくてほんわかします。


と、先日の骨董市で黒板消しの仲間らしきものを発見。

イメージ 5


これ、何だと思います?

私は見た瞬間「石盤拭きだ」と思いました。
これもサイズが写真からはわからないのですが、
直径5、6㎝ほどの小さなものです。

石盤拭きとは紙製石盤や石でできた石盤、
ノートの前に子供が勉強などで使っていたものですが、
それに書いたものを消す道具です。

大正時代の澤井商店のカタログに載っているのはこれ。

イメージ 6


イメージ 7

これは持ち手もついて、澤井商店の菊水マークも入っている
ちゃんとした作りのもので、それと比べるとかなり大雑把なものですが
でも多分同じ種類のものだと思うんです。

イメージ 8

布を丸めて、紙のようなものを当てて金具で止めてあります。

あと、これが石盤拭きだと思った理由はもう一つ
この小さな黒板消し(と同じ形のもの)と一緒にあったそうです。

イメージ 9


イメージ 10


コの字型の木の板にフエルトを詰め込んだような簡易的なものです。
いくつかあったそうですが、大きさがバラバラで
恐らく個人が作ったものではないかと
骨董屋さんが教えてくれました。


イメージ 11
このお手製黒板消しらしきものも小さいサイズです。
小さなものですが、これは何かを拭き取る道具で
間違いないかと。

となると、紙製石盤や石盤用と考えるのが
自然だと思います。

おそらく、これはどちらもメーカーが作ったものではないと思います。
ちょっと器用な方が手作りして近所の子供に分けていたりしたのかもしれません。

石盤や紙製石盤はノートの代わりの小さなものなので
それを消す為のお手頃なサイズの「消す道具」が必要だったはずですが
わざわざ買わなくても、お手製のもので事足りたのでしょう。

基本的にハンドメイド品ではなく既製品が好きなのですが
前から石盤拭きを探していたこともあり
ちょっと近づけた感じです。

イメージ 12

こんな感じでしょうか。

それにこの石盤消しも黒板消し(型の石盤消し?)
どちらも可愛いらしいです。

たまたま同時期に黒板消し、石盤拭きが手元に来たことで、
これらが愛嬌がある道具であることに気付きました。

とはいえ、集めませんよ。