残すところあと2日となりました。
いらしていただいたお客様からは
嬉しい感想が聞こえており、ほっと安心するとともにとても喜んでおります。
展示品のご紹介を重ねてきましたが、
あともう1回、、、できればさらに1回
最後までご紹介したいなと。
今日は筆箱について。
2/25のトークショーでお話しした内容なので、
お越しいただいた方にはご紹介済みですが、
せっかくなので、こちらでもご紹介をと。
今回筆箱も少しだけですが展示しています。
(というか、今回各種類それぞれ「少しだけ」なんですよね 笑)
その中でご紹介したいのはまずこれ。
パッと見た感じ、セルロイドらしい色合いがきれいな筆箱ですが、
これのどこが「強気」なのでしょうか。
この筆箱は、あけると怪しい歯車がついていて、
これをぐりぐりと動かすと、中のトレイ、、というのでしょうか。
がせりあがって、鉛筆を取り出しやすいようになっているんです。
こんな感じです。
横から見ると。。
こうなってます。
セルロイド筆箱は数あれど、
こんな仕組みをくっつけたのはほかに見たことがありません。
セルロイド = 壊れやすい
というイメージがあるのですが、それにこんな仕組みを付けた当たり
強気ですよね。
具体的な時代はわからないのですが、
セルロイドの筆箱というと
だいたい昭和30年代かなと。
サンスター文具さんのHPを見ると、設立が昭和27年となっていますので
もしかしたら設立して間もないころの戦略的商品だったのかもしれません!
ちなみにやはり若干の変形があり、スムーズには動きませんが、
でも今でもせりあがります!
がんばりましたね、サンスター文具さん。
そしてもう一つ。
忠孝筆入れ。
これは、ボール紙でてきている筆入れです。
上の写真から見て取れるように、
段ボールの切れ端のようなものが中敷きとして入っており
いかにも戦時中の代用品といった感じです。
でも、これなかなか強気な筆箱なんです。
上の写真に写っている時間割の紙ですが、
裏側はこうなっています。
「新時代の代用品として、最も安い、そして丈夫な忠孝日本筆入れは、単位ボール箱とは違い、
破損しやすい部分を工夫・考案してあります~、
長く持つこと請け合いです。
中には、段ボールと糸ゴムのおさいがありますから、ペン先や鉛筆、筆等の
傷むことは絶対にありません。
表層は優美で姓名の記入もでき、色合いもあり他人のものと取り違えることがありません。
是非とも一度お試し願います」
と。
代用品だけど、工夫してあってすごくいいものなんだよ、ということですね。
自信たっぷりで商品売り込みテクニックを駆使したものなのか
物がないのは仕方ないので、暗くならないようにポジティブ全開で書かれた文章なのか
どちらにしても、強気です。
こういった今では考えにくい強気の説明はそれ自体が
時代を表していますし、
この忠孝筆入れなどは、物がなかったという時代背景がはっきり感じられることで、
この筆箱の存在感もより強く感じられるような
そんな面白さがあります。
ちなみに、写真の忠孝筆入れは水色ですが、
私はあと黒も持っています。
他に何色があったのでしょうね!