輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

コワイ顔は古い顔、ライオン事務器の強面ライオン

ライオン事務器さんの商品は好きなものが多く
意識して探しているメーカーの一つだ。

特にライオン事務器さんのマークであるライオンが
コワイ顔をしているものはかなり古いので、
コワイライオンを見つけられればそれだけで達成感が味わえるのだ。

先日、紙製石版を見つけた。
もともと紙製石版という文具が好きなので、いつかライオン事務器さんの紙製石版を
見つけたいと思っていたが、先日やっと発見し、
割とあっさりと入手できた。

イメージ 5

中村文鳥園とあるが、右上のマークはライオン事務器のマークだ。
名入れのようなものだろう。
マークにはしっかりと「コワイライオン」がいる

イメージ 6

この石版は明治時代のカタログに掲載されている。
ライオンの雰囲気が違うのは時代が少し違うのだろう。
おそらくカタログのほうが古いのだとおもう。 


イメージ 1

明治34年 ライオン事務器さんのカタログ(当時は福井商店)

カタログのライオンのほうが野性的というか「獅子」という感じだ。


イメージ 2

マークの上部にコウモリが描かれているが、
その意味合いはわからない。
今後ライオン事務器の方に聞いてみたいと思う。

この紙製石版は裏面にライオン事務器の古いインクの絵も描かれている。

イメージ 3

劣化していて見づらいが、ここに書かれているインク瓶三本は、紙製石版が載っていたカタログに
よく似たインク瓶が掲載されている。

イメージ 4

インク瓶のラベルのデザインがおそらく同じだ。
この紙製石版はおそらく明治の終わりから大正はじめ頃だろう。
古さや書かれているイラストもだが、こういう古いものが見つかったことが
うれしい。

明治や大正のものもまだ残っているのだ。

そして我が家には他にも「コワイライオン」がいる。
たとえば画鋲。


イメージ 7

ライオンが「LION」と書かれた旗を持っているが、
このライオンを「旗持ちライオン」というと、以前ライオン事務器の方に教えていただいた。

コワイライオンと一口に言っても、
時代によって微妙に見た目やポーズが変わっているそうだ。
この画鋲の箱のライオンもコワイ系だが、紙製石版のライオンとは違う雰囲気だ。
コワイライオンをひと目見て、「このライオンは明治×年頃だ!と言えるほど
知識がないが、情報を集めていくとそのうち分かるようになるかもと思っている。


イメージ 10


イメージ 8

なお、画鋲は「LION」の文字は入っているが、流石にライオンのエンボスはされていない。

イメージ 9

イメージ 11


もう一つ、スタンプ台もコワイライオンバージョンを持っている。

イメージ 12

イメージ 13

このライオンは、一見コワモテ風だが、拡大してみると割と優しげな顔つきだ。
スタンプ台の状態はかなり悪いが、ライオンのマーク目当てみたいなものだから
良しとしよう。

あとはクレヨンがあるが、それは過去にも紹介しているのでここでは割愛しよう。

このコワイライオンは、まず一見してだいたい時代が古いことがわかるのが良い。
同時に、明治や大正のものも、探していればまだ見つかるのだという希望が感じられるところも良い。
そして、かわいいや親しみやすさではなく、威厳や格を商標に込めた時代だったのだと、
すなわち文房具が今よりずっと高級品だったり、扱うことや使うことがステータスである部分もあったのだろうと
そんな時代の違いについて想像を膨らませられるところも良い。

コワイライオンはいろいろな商品があったので、
探していればほかにも見つけることができるだろう。
縁と運と根気で、増やしていこうと思う。



【お知らせ】
文房具の百年前の話をWebに色々書いている連載「文房具百年」、
1月の記事が公開済みだ。
今月はムカデ針のホッチキスの話で、地味だからどうかなーと心配だったが
割と楽しんでいただけているようだ。

まだご覧でない方はぜひご覧ください!