篠崎インキの石版印刷広告
久しぶりに国際フォーラムの大江戸骨董市が開催されたので、
早速足を運んでみた。
コロナ禍後初の開催であり、感染防止のため仕切りを設けるなど運営が変わった初回ということもあり、9時に回りだした時には
多くの骨董屋さんが商品を並べ終わっていなかったし、
おまけに雨までぱらついて、商品に覆いがかけられているお店も多かった。
一巡したが、特に何もなかったので帰りかけたのだが、
いつも珍しいものを持ってきてくれる骨董屋さんが、
「よかったら後でもう一度寄って」と言っていたのを思い出し
もう一度一通りまわってみることにした。
そしてそのおまけの一巡で見つけたのがこれ。
A3サイズくらいのきれいな石版印刷の広告だ。
額に入れられていたので、全く見ていなかったのだが
ふと「ゴム糊」の文字が目に入った。
ああ、これは篠崎印刷の明治から大正頃のものだ。
「第45回内国勧業博覧会」とあるが、
時代的に第4回・第5回の両方を指しているのだろう。
篠崎インキの主要販売元であったライオン事務器(当時の福井商店)の大正元年のカタログに
ここに載っているのと同じインクが紹介されている。
一番上のCAW'Sインキに、二段目の「日本ブラック」。
それにその隣の「芳香スミレインキ」は
広告の背景に住出が描かれているところにあるインクと同じか
バリエーションだろう。
金色の部分はきらきら光っており、
全く退色していない。
写真ではうまく伝えられないことが残念な
とてもきれいな印刷だ。
いいものを見つけられて、
幸先の良い大江戸骨董市。