輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

お手軽アイデア?割ピンパンチ

ちょっと変わった形の穴あけパンチを手に入れました。

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ハンディタイプのものですが、シュモクザメのように貼り出している部分があります。



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これは、紙を挟むためのガイドで、幅ではなく角を当ててセットします。
これだと、位置は変えられませんが、いくつかに分けても同じところに穴を開けられます。

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このパンチの特徴は、穴が丸ではなく小さく長方形に開くところです。

何用かというと、割ピン用のパンチです。
このパンチを購入したとき、一緒に入っていたセットです。(紙以外)

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日本ではさほどなじみがありませんが、
アメリカではペーパーファスナーというと
これを指すことが多いです。
平らな足が2つついており、頭のところで一つになっています。
紙束に差し込んで、足を開くと紙がバラバラにならないというわけです。


これを差し込む為の穴をあけるパンチなので、
丸ではなく、細長い穴なんです。

丸いパーツにも同様の細長い穴が開いていますね。

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というわけで、差し込んでみました。


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あれれ、サイズが合いません。
もともとこのパンチとセットになっていたものではないようです。


では、小さい割ピンでやってみましょう。


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無事、足がはみ出ることもなく、綺麗に収まりました。

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裏はこうなっています。

ああ、丸いパーツを挟むのを忘れてしまいました。
あれは足が開きすぎないようにするものだと思います。
束が厚いときに使うといいですね。
(今回は忘れたまま割愛します)

これなら使えそうです、が
日本では割ピン自体がそう一般的ではなく、
このように足の短いタイプはほぼ売っていないので実用は少し難しいです。


さて、このパンチの面白いところがもう一つあります。

もともとは割ピン用のパンチという日本ではお目にかかれない珍しいものなので
入手したのですが、手元に届いて気づいたことが。

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真横から見るとこういうものですが、
この形を見て「あっ!」気づきました。

これは切符を切るための道具をちょっと加工して「割ピンパンチ」としただけの
イデア商品と思われます。

そもそも最近は「切符」を知らない年代が増えてきているようですが、
以前は紙の切符を持って、乗るときに改札で駅員さんが「切符を切る」ということをしていました。
どこから乗ったかわかるように、駅ごとに違う切り口の道具で切符に穴をあけていたものです。

この割ピンパンチは、切り口を割ピンの幅に合わせて、
紙の位置を固定するためのガイドをつけて「らしく」したものと思われます。

(参考:アメリカの切符用の道具はGoogleで「ticket punch」で画像検索すると見られると思います)


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かんたんですね。なんだかお手軽なアイデア商品という感じに
ちょっと笑ってしまいます。

ちなみに、せっかくのアイデアですがあまり普及はしなかったようで
今のところ、この1体しか見たことがありません。

メーカー?製作者?らしき表記と
パテントについて書かれているようなのですが、
不鮮明でよくわかりません。

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時代はいつごろでしょうね。
戦後だと思いますが、情報もなくよくわかりません。


でも、この割ピンパンチ、割ピン用としては使うシーンが難しいのですが
ちょっとした穴をあけるには使えそうです。

先日、イベントの展示用に小さいタグを作ろうとしていて、
たまたまこれが手近にあったので使ってみると、
元が切符用のパンチということもあり
比較的厚手の紙でも開けられるし、細長い穴は細いひもを通すのに
丁度いい感じです。


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こんな感じに穴が開きます

といってもそんなにタグを作る機会もないので、
実用性の低さは変わらないですね!