輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

●●●なチェックライター BRADY MFG Co.

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

昨年末はブログの更新が息切れ気味でしたが、
今年もできるだけ間を開けないように、続けていきたいと思います。

さて、今年の初更新は、大みそかに届いた丸いヤツ、
1890年頃のチェックライターです。

ちらっ!
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●●●●。。。な形でしょう。
全体像はこう。


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なんだこれ?

と思いますよね。
なかなかインパクトのあるビジュアルのおじいさん事務用品です。

カタログなどで色々な古い事務用品を見ていますが
その中でもかなり個性派にはいります。

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この時代のものはだいたいそうですが、重量も相当なものです。
足の上に落としたくない(うっかり蹴飛ばしたくないも含む)ランキングでも
上位に入ります。

でもこれは、上にハンドルがついているので
これを持って持ち上げることができます。

とはいえ、携帯なんてとんでもない重量ですが。

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「THE BRADY MFG CO」と正面のプレートに刻まれています。
発売は1892年で、銀行で使用するチェックライターとして人気商品だったようです。


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説明が記載されていますが、ゆがんでいるのと、消えかけていますね。
英語が分かる方どうぞご参照ください!

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表面の塗装は、状態が悪くてあちこちはがれていますが
1890年頃流行ったと思われる飾り模様、
金の線と葉っぱに赤い花もかろうじて残っています。


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使い方は、紙を挟んで正面の切れ目に数字を合わせ
バーを下します。

さくっ。

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さくっとバーが下に降ります。

そして数字はこんなふうに。

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数字の形に穴を開けるタイプなんですよ!
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ほら!

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ほらほら!ほかの数字も!

ちなみに
最近知ったのですが、文字を刻む際に
印字ではなく、穴を開けルタイプは「チェックパンチ」というようです。

ということで改めまして
120年前のチェックパンチです。

6と8と9はうまく抜けませんが、120歳のおじいさんなのに
とてもかわいらしい仕事をしますね。
一世紀前のクラフトパンチです。

抜いた数字です。

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各バーの下に先端が数字の形をした管のようなものがついており、
穴を開ける仕組みになっています。
土台側にも数字の形の穴が空いています。

なお、これは紙送りが動かず、紙を自動で送ることができません。
油を差してあちこちつついたりしましたが、
動く気配がありません。



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そして、このチェックパンチ、昨年入手したカタログに載っていました!

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アメリカの事務用品店?卸?のカタログです。

1900年前後の事務用品がたくさん載っているので
とても参考になる最近のお気に入りです。

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1902年1月1日の日付が。
114年前ですね!

そしてチェックパンチのページです。

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この左上のチェックパンチがまさにこれ!

そしてその右にはやはり昨年入手したプチプチ孔タイプの
チェックパンチが!
さらにさらに、右下のチェックプロテクターも
わが家のチェックプロテクターとよく似ています。

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どれも100年以上前の金属の塊ですが、
かわいらしい道具達です。

余談ですが、この●●●のチェックパンチ、かなり大きいです。
私の手を広げたときの手のひら+指先くらいのサイズがあります。

そして、もう一つ別の資料でも
見つけました!

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日本のおそらく大正終わりごろのものと思われます。
京橋の住所と「関 弥三郎商店」「直輸入兼制作」とあります。

一枚ものを折りたたんだタイプですが
そこにこんなものが。

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形がそっくりなんですが、ドルマークではなく、円マークなんですよね。

この「関弥三郎商店」直輸入と製造の両方をやっているので
何ともいませんが、おそらく最初輸入してそのあとお手本にして
日本版を作ったのではないでしょうか。

これ作るの結構大変だったと思うのですが
日本人、器用ですね。(笑)

「まなぶ」は「まねる」から来ているそうですが、
こうやって技術を磨いて来たんだろうなと
愉快に思います。

そもそも最初にこの形を考えた人もすごいと思います。

いつか、日本で販売されていた「¥」マークのあるチェックパンチを
手に入れたいものです。


余談ですが、「関弥三郎商店」のイラストを見て「あっ!」と思ったのは
イラストもアメリカのカタログとそっくりですが、
金額は縦書き・手書きになっていて、
上部の余白部分に数字を打ち抜いているような絵に見えます。

これは、先日UPした「縦型チェックライターの訂正」記事で紹介したことと
一致していますね。

オモシロイ。
もとのイラストを部分的に修正したら偶然こうなったのかもしれませんが、

オモシロイ。
いろいろ奥が深いです。


どうやら今年も私的には事務用品が熱くなりそうです。