1年ほど前にアップした伊勢吉帳簿店さんの記事に、
御親族の方からコメントをいただきました。
見てくださったことが、嬉しかったので同じ伊勢吉帳簿店さんの
罫線見本帳をご紹介しておきます。
かなり使い込まれたもののようです。
冒頭には、「いつもありがとうございます」に続いて
「帳簿は必要だけど、簿記法は知らない人にとってはよくわからないですよね。
でもうちは、熟練者もいて使いやすい帳簿をいろいろ作っているよ」
「種類は多いけど、欲しいタイプのものが無かったら作るから言ってね」
そんなご挨拶がかかれているようです。
これいつ頃でしょうね。
明治時代という事しかわからないのですが、
Wiki先生によると、簿記という言葉が使われ出したのは
明治20年以降のようなので、きっとそのあとですね
取引の仕方と目次です。
右ページの最後に「うちで作った帳簿は使用中やその後の保存中でも
綴じたところが緩んだら、直しますよ」
と言っていますね。
こういうちょっとした記載に、当時の取り扱いが分かって興味深いです。
この見本帳で意外だったのは、フォーマットが縮小版で掲載されていたことです。
多分当時の伊勢吉帳簿店さんで取り扱っていた全フォーマットだとおもうのですが
縮小コピーがない時代に
どうやって作ったのでしょう。
こんな感じでたくさん載っています。
後ろの方は1ページに4つと少し大きく載っています。
一つ一つの見本はとても精巧です。
よく見ると、「明治」と書いてあるものもあって
明治時代ということがわかります。
微妙にちがう種類の物が延々と載っており
全部で125種類ありました。
これは手形管理用でしょうか。
実物はA4くらいの大きさなので
文字などもそこまで小さくはないでしょうが、
見本帳はとても細かい字と線です。
見本と関係ないのですが、
最後の方に、元の持ち主が「俄然」の練習をしているんですよね
最後のページです。
新しい形の罫線で作るときは
型代はサービスするよ、という事でしょうかね。
版木とあるので、一つ一つ職人さんが掘っていたのでしょうね。
そしてここにも「俄然」・・・
そして「俄然」
下に小さい字で何か書いてあるのですが
達筆で読めません。
「俄然」に負けてますし。
ということで、人形町の伊勢吉帳簿店さんの
明治時代の資料のご紹介でした。
また、ご血縁の方が見て下さったら
嬉しいです。
しかし、、、「俄然」どうしたのかが
どうにも気になります。