輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

19世紀の帳簿と2016年の振り返り

年末の片づけの真っ最中ですが、
とても残念なことがあり、掃除をする意欲がそがれたので
気分転換にブログを書くことにしました。
(いえ、大したことではないんですけどね)

どちらにしても今年最後のブログを今日か明日にはアップしたいと思っていたので
まぁいいか、今書いてしまおう、というわけです。

時期的にどんな一年だったか今年を振りかえると
今年はほんとイベントが多かったです。

・・・と、それを並べてみたら結構長くなってしまったので、
先に「今年熱が入った文房具」の話を。

モノとしてはチェックライターが自分としては熱かったかな。
あと紙ものもかなり広がった一年です。

そしてそしてもう一つ。
1890年頃、つまり19世紀の文房具や事務用品に
かなり注目した年であったと思います。

というわけで、今年最後に入手した19世紀の事務用品をご紹介して今年は終わりとしましょう。

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帳簿です。
現在の帳簿よりかなりしっかりした作りで、重厚感のある
(そして実際に重い)帳簿です。

部分的に革が使われており、
背表紙の出っ張りは当時の製本の仕方による綴じ具などでしょうか。
製本に詳しい方に今度聞いてみたいと思います。

「これ帳簿ですか?」と言いたくなる本格的なつくりですが
背表紙には
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ほら。「CASH」と書いてありますよ。
もっとも種類は多数あるようで、たまたま入手したのが「CASH」だったというわけです。

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表紙はこうなっています。
革でないところはしっかりした厚手の布が巻いてあります。中の芯は紙なのでしょうか。

表紙を開くと

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この模様、日本の明治時代のノートで
同じような模様の紙が使われているものを持っています。
他の帳簿を見ても見かける柄なので、当時好まれてあちこちで使われて
いたのかもしれません。

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左上には、この帳簿のメーカーまたは販売をしていたお店と思われるラベルが貼ってあります。

検索したのですが、特に情報は見つけられませんでした。

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最初の白いページに背表紙と同じ情報が手書きで書かれています。
1880は年ですね。1880年にこの帳簿を買ったのでしょう。
このように何年の物か、記載されているとわかりやすくて助かります。

右のページにはこの帳簿の値段と思われる数字が。

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10ドル、かな。
130年前の10ドルは今だと幾らほどでしょうか。

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中はごくシンプルな帳簿の罫線です。
作りの豪華さに比べて
中の紙や罫線は今一つ迫力が足りない気がしますが
作りは豪華にしようとしたのではなく
当時はこういう作り方だったのでしょう。

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各ページにページ番号が振られています。

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最後が384ページ。
とても厚みがあります。

そして、ご覧いただいた通り、この帳簿はほぼ未使用の状態です。
この時代の帳簿が欲しくて探していたのですが、見つかるものは使用済みのもので
かなり表紙や装丁の状態が悪いものばかりで、良いものを見つけるのに
時間がかかりました。

さらに、驚いたのはオークションの世界では中身が書かれている帳簿の方が価値があるようで
私の理解を超える金額で取引されているようです。
資料的価値なのでしょうか。

コレクターの価値観というのは謎です。笑

逆にそのおかげで私はほぼ未使用の傷みの少ない帳簿を
手の届く金額で入手することができました。

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中身は以上。

ちなみにこれはかなり大型です。
A4サイズより縦が長くて幅は少し狭いくらい。

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こんな感じ。白い紙はA4のコピー用紙です。

それからこの表紙のデザインはかなりスタンダードだったようです。
私が所有しているカタログに掲載されている、デザインが違うメーカーのものと
ほぼ同じでした。

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カタログは1902年の事務・文具の卸かメーカーかのカタログです。
製本の仕方とデザインがほぼ同じ。
飾りの入れ方が違うくらいですね。

いつもながら、カタログと現物が一致するとワクワクします!


そしてこの帳簿を入手した理由がもう一つ。

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日本の帳簿に施されていたマーブル模様が
アメリカの物にもあったのかを知りたかったのです。

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帳簿のマーブル加工は、もしかしたら日本独自の工夫なのではないかと想像を膨らませていたのですが
アメリカでもやってましたね。

でも、全部ではなく、マーブル加工がない帳簿の方が多いくらいでした。
そういう意味でも私が入手した帳簿はとてもラッキーな物でした。

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右2冊が日本の大正時代の帳簿です。

マーブルの模様が、アメリカはアメリカらしく、日本は日本らしい気がします。
きれいですね。

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19世紀の文房具・事務用品は
現代の物からすると斬新な形態や作りになっているのが面白いと気づき
この一年でいくつか入手しました。

実際に見ると、やはり迫力が違いますし、
まだまだ手に入れたいものも増えてしまいました。

まあ、19世紀のものは価格やスペースや出会いなどなかなか
ハードルが高いのでゆっくり集めていこうと思います。


さて、最後に今年一年の活動を振り返りました。

年明け早々アルフィーの坂崎さんに骨董ジャンボリーのポスター用の写真を撮っていただき、
5月には著書「古き良きアンティーク文房具の世界」が出版され、
再びTBSラジオのニチテンに出演させていただきました。

8月には骨董ジャンボリーの企画展でたくさんの方に古文房具を見ていただき
その後「極上!お宝サロン」にも出演させていただくなど
まぁ大変な一年でした。

そういえば「ビブリオバトル」にも参戦しましたし、
今年から2回になったブングテンも5月と11月に出展しました。
「王子紙文」なんて単発のイベントもありましたね。

私、忙しかったですね(笑)

それぞれたくさんの方にお世話になり
何とか乗り切れました。
関係各位、それに応援してくださったみなさま、
イベントに足を運んでくださったみなさま
本当にありがとうございました。
改めてお礼を申し上げます。

来年は活動のペースは落散ると思いますが、
ブログはちゃんと更新していきたいと思います。

ブングテンも出ますよ。

というわけで、来年もよろしくお願い致します。