今後の展示は「モリイチの歴史展」です。
そのモリイチの歴史展に、展示協力しています。
大正から昭和初期、戦後~70年代まで複数の世代で
「当時販売されていたもの」として
私の古い文房具が展示されます。
ほんの数点ですが、
資料を見ながらできるだけその時代に合ったものを選びました。
行かれましたら見てやってください。
6月25日(木)から7月9日(木)
平日9:00~18:00です。
今回その展示用の文房具のお題で
「昭和19年当時の物」というのがあったのですが、
手持ちの文具を探していて、
面白いものを見つけました。
正確には、前から持っていたのですが
紹介する機会がなかったものです。
且つ文房具でもないのですが。
戦時中の文具購入券。
今でいうと、文具券みたいなもの・・・と
文具券ももうなくなっていましたね。
戦時中、物資が不足していた時期に
この券がないと文具を買えなかった、ということだと思います。
学校名と校長先生の名前がスタンプで捺されています。
この券で引き換えられるのは、コンパスとなっていますが
いくつも種類があったようで、
一緒に綴じられていた束の下のほうは
絵具でした。
そういえば、絵の具が不足してきて
公定価格を決めるためのルールの設定を行った記事について
以前ブログに記載しましたが
それが昭和17年のことでした。
だんだん厳しくなっていく状況が分かるようです。
結構厚みのある束で、
糸で丁寧に束ねてありました。
戦争色の濃い文具や広告は数多く見られますが、
この文具購入券の束からも
とてもリアルに時代を感じられます。
記載してある学校名は
調べてみたら、こちらの学校のようです。
多分間違いないかと。
昭和19年にこの文具購入券を配布していた小学校が
今もあることにほっとしています。
ちなみにこの文具購入券は、墨の箱に入っていました。
こんな感じです。
箱のデザインがいいなと思ったのと、
この購入券が面白いと思って入手しました。
奈良の松寿堂という所の墨の箱です。
松寿堂さんも調べてみました。
今も営業していらっしゃいます!
墨も「奈良墨」という伝統産業に当たるようです。
また箱に貼ってある「奈良製墨工業組合」も
名前を変えながら存続しているようで
この名称は昭和16年から22年だそうです。
栗生国民学校と同じ期間ですね!
なお、墨のことは、書道に詳しい友人に助けてもらいました。
そしてその友人から松寿堂の墨の画像も拝借。
墨は全く分かりませんが、
カッコいい墨ですね!
いずれにしても、登場人物や会社を調べると
分からなかったり、すでに廃業しているといったことが多い中
栗生国民学校・奈良松寿堂さん、ともに現存しているというのは
うれしいことです。
些細なご縁で知ったわけですが
今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。
僭越ではございますが。