輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

元祖6006番 クジラゴムの偽物の半分

古い消しゴムの品番で、6006番という中途半端なものがあります。
 
昭和9年頃から、1社ではなく、各社この半端な品番の消しゴムを出していたと聞いています。
 
 
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手元にあるのは、シードのが2つと
ライオンのが一つ。
 
なぜ6006番なのかというと、
昭和初期にA.W.FABERが6006番のクジラの消しゴムを販売し、
それがとても売れたため、
その人気にあやかろうと各社で「6006番」の品番を付けて、販売を始めたそうです。
 
・・・そんな話を聞くと、クジラゴムが見たくなります。
 
当時のカタログに掲載されているのはこちら。
 
イメージ 2
 
 
なかなか迫力ある図柄です。
とはいえ、カタログと現物とは結構違っていることもあり、
現物はどんなものだろう。。。
 
 
で、見せていただいたのがこちらの写真
おそらくこれが現物そのものか、それに近い写真だと思われます。
 
イメージ 3
 
品番も6006と入っており、
A.W.FABERの名前もしっかり記されています。
 
なるほど。
 
なんとなく様子はわかりましたが、やっぱり現物が見たいな、
思っていたら、
こんなモノ見つけました。
 
 
イメージ 4
 
おお!
これはなんとクジラゴム!…に見えます。
絵だけ見ると一瞬本物に見えますが…
 
「…JIRA」って「KUJIRA」ってこと? FABER製にはKUJIRAなんて書かれていないはず。
 
それに「…CO.LTD」って…これもFABERの製品には記載されていない。
 
なんといっても「TAGUTI」。。。
 
はい、これは田口ゴムさんの消しゴムですね。
本物ではありません。
 
うーん、残念・・・ではありますが、
でも、FABERのクジラゴムをずっと探していて
出会えないかと思ったいました。
 
おそらく同じ時代の、
それもそっくりと思われる消しゴムが
(半分だけですが)出てきたことで
今後に希望が持てます。
 
クジラ、探しますよ。
こうなったら本物だけでなく、
にせものも欲しいです。
 
クジラ―!
 
 
資料提供:ライオン事務器歴史資料室様