名刺入れ付きねずみ年の年賀状
素敵な年賀状を見つけた。
え?年賀状??今!?というタイミングだが、見つけたのが最近なので仕方ない。
ちょうど今年はねずみ年だし、12年後までネタとしてキープするには
ちょっと長すぎるので、今出してしまうことにした。
それがこれだ。
ネズミのカップルがダンスをしている絵柄で、
エンボス加工(立体的に浮き上がらせて)されている。
よく見ると、毛並みまでつけられているし、手足も優しい丸みを帯びている。
更に下についている小さな封筒には、、、
何やら入っている。
この時点でこの芸の細かさにワクワクするのだ。
中に入っているのは、説明書きと名刺とする小さい紙、飛行船の封緘紙(裏に水糊がついている)だ。
説明書きを読むと「欧米では年賀状に名前を書いた名刺を同封している。日本でもそれをやると名前をよく知ってもらえるのでいいよ」といった内容だ。
この説明書きからすると、このカードは年賀状ということだ。
そして時代は「一種郵便」が三銭の時代なので、昭和6年から昭和12年まで。
その中で子年は昭和11年(1936年)なのでその前の年、昭和10年のものであろう。
飛行船の封緘紙は、かの有名なツェッペリン号が日本に飛来した後のものとすると
昭和6年(1929年)以降となるので、大体時代もあう。
名刺としての紙ではなく、封緘紙に名前を書いたのは、四角い紙はつまらないと思ったのだろうか。
この封緘紙はサイズがぴったりだが、この年賀状のセットとは別のものだろう。
よくぴったりのサイズのものがあったものだ。
余談だが、封緘紙に書かれた名前「横堀洋一」さんを調べると
「ゲバラ 青春と革命」の著者であり、共同通信社で世界を舞台に活躍された方が同じ名前だ。
だが横堀氏は1933年生まれなので、時代が少し違うようだ。
そのためおそらく同姓同名の別人だと思われるが、
名前を残したのが飛行船のラベルであるというところが、なんだかご本人であってもおかしくないような感じを受ける。
ちなみにこのはがきは、裏面も美しい。
エンボスの後は影のようだし、切手の部分の丁寧なデザインが、上品で洒落ている。
この年賀状は、他のバリエーションや他の干支でも作られたのだろうか。
あるのであれば、見てみたい。