先日骨董市で戦時中の便箋を見つけました。
子供が戦地のお父さんへ書くお手紙用の便箋です。
戦時中とはいえ、子供用なので可愛らしい図柄です。
便箋3枚に慰問袋もついていました。
まず1枚目
便箋ですが、折りたたむとそのまま封筒のようになり
切手を貼れば送れるようになっています。
教材紙工社という会社のものですが担当部門が「慰問部」というのが時代を感じさせます。
戦地のお父さんへどういうことを伝えればいいか、
書きやすい構成になっています。
ここは家族について「くわしくかきませう」
イラストもこんな感じです。
反対側はお手紙欄と空白に枠。そこは絵を描きましょうということだと思います。
2枚目は1枚目と似た構成ですが細かいイラストが違います。
5銭切手をハリマスの絵はこちらはさくら。
家族についてかきませう、のコーナーは文楽のような人形の首ですが
これ、生首っぽい。。
よくこの絵を採用したなと思います。
裏側は塗り絵になっています。
これ、1枚目と2枚目はセットで、
1枚目は自分で絵の描けるお兄ちゃん用、2枚目はまだ小さい妹用、
そんな使い方だったのかなと思ってしまいます。
そして3枚目。
実は3枚目は1枚目、2枚目とは別売りでした。
メーカーも出処も同じですが。
紙質と色はこれが一番きれいです。
こんなタイトルもついており。
「銃後の便り」
こいのぼりの絵柄はかわいいのですが
せつない名前のお便りです。
あと、構成もこれが一番盛りだくさん。
まずは家族について。
そして「郷土の便り」
確かに遠い戦地にいるお父さんは、郷土の歌を懐かしく思ったことでしょう。
裏側も書くことたくさんです。
学校便り。
下段右から「隣組」について。
三軒先の●●さんが、最近どうしたかもちゃんと書きます。
家族以外にお家の便り欄もあるのですが、これは何を書くのでしょう。
お庭に花が咲いたとかでしょうか。
お友達のことも書きます。
新しいお友達や、仲良しの●▲ちゃんがどうしているかも
お父さんに伝えます。
以上ですが、これ、子供にお父さん宛の手紙を書かせるには
中々よくできていると思いませんか？
オトナでも、白い紙を前にいざ手紙を、となると何を書いていいのやら、、、となりますが
これだけ書くことが具体的にわかるようになっていると
手紙書けそうな気がします。
今もこういう子供用の便箋があってもいいのではと思いました。
と考えていてふと思ったのは
最近の子供はお父さんやお母さん、、、は一緒にいるから書かないにしても
おじいさんやおばあさんに手紙を書いたりするのでしょうか？
まったく書かなくなっているとしたら
それって残念だなと思います。
そういえば今日は父の日。
お子さんにお父さん宛の手紙を書かせてみては
いかがでしょうか。
あ、慰問袋の話を忘れていました。
便箋とセットされて売っていたのですが
元々セットだったのかが気になって聞いてみました。
「元々セットされていたものではないが、一緒にでてきたのでつけてみた」
だそうです。（笑）
でも、便箋を作ったのも「慰問部」なので
あながちまったく見当違いのセットではないと思います。
