輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

封筒コレクション

昨日、骨董市で古い封筒をまとめて入手しました。

約130枚。
最初すすめられた際に、即決はできなかったのですが
よく見ると一枚一枚全部違う形や色・柄で
おまけにとても美しいデザインです。

デザインや質感からすると昭和初期頃のものと思われます。
きっと80年くらい前に、だれかがコツコツと集めたのでしょう。

このコレクションは是非引き継ぎたいと思い
入手してきました。

せっかくなので全部ではないのですが、ここでご紹介します。
いつか機会があれば現物をどこかで展示できればいいなと思います。

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日本の封筒で古いものは、木版刷りなどで柄が素敵なものがありますが、
この封筒は封をする部分の形や色・柄が特徴的で
素敵なものが多いです。

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形もさることながら、ごくシンプルな模様だけど
品があって美しい。

絵柄などの模様よりセンスが問われるところではないでしょうか。

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色のついた封筒。
多少の退色はあるものの、
色合いの良さが見て取れます。

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あわいピンクにバラのエンボスとか、
とてもロマンチックです。

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紙に地紋が入っている封筒。
綺麗な線や形にくわえて、そこにチェックや英字新聞風の地紋が
おしゃまな感じがします。

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チェック柄、かわいいです。


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これは、開封用のミシン目がついているタイプです。

封筒だけのものもありますが、
中に便箋がセットされているタイプもあります。

開くと写真下のようになりますが、閉じていると写真上の右2つのようになります。

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便箋の罫線も麗しく、
ふちに銀のふち取りがされており、
丁寧なつくりに感心します。


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たたむとこうなります。
点線の外側に水糊がついているので
貼り付けて出します。

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エンボスのある封筒です。
柄はバラが多く、当時人気だったのでしょう。

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エンボスだけでなく、ふちのデザインも凝っているなど、
これ使いたい!と思う要素がいろいろ盛られています。

当時の文房具屋さんには
こういうものがたくさん並んでいたのでしょうか。

一度見て見たいです。


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縦型封筒。

いいですね。
今回いくつかの種類の中で
私としては一番グッと来たデザインです。

「バックシャン」という言葉をご存知ですか?
古い俗語で「後姿が美しい」という意味です。

まさにバックシャンな封筒達です。

中にはその形状に、虫の羽の模様を連想してしまうものもあります。

モダンでおしゃれなところに虫の毒というか苦いテイストが加わった、
独特な雰囲気が、魅力的です。


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同じく縦型封筒でも、こちらは可愛らしい雰囲気です。

左3つはパラフィン紙にくるまれてるタイプなので、
中の図柄がクリアではありませんが、
そのはっきりしないところがいい雰囲気となっています。

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パラフィン紙にくるまれているタイプは、
図柄もかわいらしいものが多く、
主に女の子から女学生位が使っていたのではないかと思われます。

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赤ずきんちゃんが何か叫んでいるような絵と
椿柄が気に入っています。


封筒は大体こんな感じです。
あと普通に絵が印刷されているものもあるのですが
今一なので割愛します。

せっかく集めたのに今一と言ってすみません(笑)

封筒に紛れてこんなものも入っていましたよ。

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封筒のラベルと、シャーリーテンプルのしおりが入っていたらしい袋です。

シャーリーテンプルは、戦前一世を風靡した子役スターです。
このしおり袋のイラストは映画「テンプルちゃんの小公女」の物と思われます。

1939年公開なので、第二次大戦がはじまるまえですね。

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裏には三越の10銭の値札。
三越は一時シャーリーテンプルグッズの販売コーナーを
大々的に設けていたようなので
このしおりもそこで買ったのかもしれませんね。


さて、全部ではありませんが、戦前の封筒コレクションの紹介は以上です。

ちなみにこんなふうに箱に入っていました。

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箱はボロボロなので、
他の箱に移すか、ちゃんとファイルにしていつでも見られるようにしておきたいですね。
保存方法についてはこれから考えましょう。

このブログを書くために改めて見直して
本当に素敵だなと感心しました。
これを集めていた方に感謝です。

そして感謝すべくはもうひとり。
これを持っていた骨董屋さんです。

商売のことだけ考えるなら、
バラや小分けにして販売した方が、おそらく高く売れたでしょう。
それをばらさずにいてくれたことに
改めて敬意と感謝を感じます。


大事に持っていなければいけませんね。