イーグルノートと古いビルに透かし紙の話
10年近く前だと思う。文房具屋さんを探してふらふら歩いていた時に見つけたビル。
もともと古い建物も好きなのだが、ドアの横の「イーグルノート」の表示とおしゃれな鷲のマークが目を引いた。
「イーグルノート」というのは知らなかったが、
「このビル、壊されないといいな、素敵なのに」と思っていて、
いつか写真をとっておこうと思ったがそれから10年たってしまった。
そしてロックダウンが解除され、街に人が戻り始めた7月に写真を撮りに行った。
なぜ、写真を撮りに行ったのか。
このノートを手に入れたのだ。
このノートを見て、「あ、あのビルのノートだ!」と思った。
マークも大体同じである。
せっかく手に入れたので、ずっと前から気になっていたあのビルと一緒に写真を撮ろうと思ったのだ。
表紙を開いた見出しのページのデザインも素敵だ。
そしてこのノート、全ページにこの鷲のマークの透かしが入っている。
いい製品をたくさん作っている会社だったのでしょうね。
このイーグルノートはイーグルノート株式会社、中田直平氏が創業者で、
この建物は東京市からの助成金で建てた本格的な耐震耐火建築だそうだ。
検索したところ、創業者の親族の方が書かれた空襲体験の記事が見つかった。
https://www.city.chuo.lg.jp/heiwa/shiryo/taikenki/kusyu/kusyu23.html
このノートを手に入れて間もなく、別のイーグルノートも我が家にやってきた。
一番右の「MEMO」という表紙のノートがそれだ。
少しイラストの雰囲気が違うが、おそらく同じイーグルノートのものだろう。
なお、こちらのイーグルノートは透かしは入っていなかったが、
一緒にあったノートには透かしが入っていた。
この三冊は小さいノートで、子供が使うものだと思うが、
それにしっかりとした透かしが入っているのはあまり見ない。
3冊ともいいものだったのだろう。
ずっと前から気になっていたイーグルビルとイーグルノート。
ノートも手に入れたし、ビルも1Fにおしゃれなカフェができていて、
しばらくは取り壊されるようなことにならなさそうなので、
ひとまずは安心だ。
このイーグルビル、近代建築として価値のあるものなのか、検索したら情報がいくつか出てきた。
「イーグルノート」の表札は残っているが、
もうノートは作っていないんだろうな。
もっとほかのノートも見て見たかった。