もう1か月近くたってしまいましたが、
ブングテン13に出展しました。
今回のテーマ
「平らな文房具」
紙製石盤を出したかったのですが、
いつも使っている展示スペースのキャビネットを埋めるだけの石盤がなく、
親戚・・・みたいな感じで平らな文具をかき集めて展示しました。
ちなみにキャビネ全体像はこんな感じです。
以下の説明は、実際の展示に説明として使った内容
ほぼそのままです。
平らな文房具、といえばまずノート類。
でも今回は、あえてそれ以外の文房具にしました。
書いて消す紙製石盤やクレヨンボード、写すためのカーボン紙、インク吸い取り紙、下敷き…。
どれも書くことをサポートする文房具で、
脇役ながらデザインや素材にその時代の美観と工夫が生きています。
■紙製石盤
紙に黒板のような塗装をしたもので、明治時代に小学校などで使用されました。
折り畳み式になっており、両面使用できます。
表紙は細密で多色刷りの美しい図柄、
裏面は時間割表が一般的です。
石筆を使って書きます。
日本の「書いて消す」文房具の中では、もっとも古い部類になると思われます。
紙製石盤を開いたら・・・
一部くっついていることに気づき、開いたら、栃木県の地図が出てきました。
地図なので、内容は今と変わりませんが、きっと100年くらいたっていると思われます。
ちなみに宇都宮は明治時代に宇都宮県から栃木県になり、その後ずっと宇都宮市です。
引き算をして、〇をもらっていますね。
一応私も計算してみました。
あってます!
■下敷き
下敷きの時代によって厚紙や、セルロイド、ビニール、プラスチックなどが使われ、
素材ごとの質感が味わい深いです。
また、図柄は九九が昔から定番であったようですが、
表記がいろいろあるところに時代を感じます。
それから今回調べて知ったのですが、
日本以外の国では、下敷きを使うことが
ないそうです。
同じように鉛筆は使っているはずですが、
裏写りなど気にしないのかもしれませんね。
ミマス印 ファイバー製下敷き
メーカー名が右横書き表記で、公定価格マーク「公」がありません。
そして最大の特徴、「割り算九九」が載っています。
そろばんで割り算をする時に使ったもので、昭和初期にはすたれたそうです。
そうなると大正期の下敷きでしょうか。
ニシキ印 ボール紙製下敷き
公定価格の「公」マークがついており、左横書き、
素材がボール紙なので、昭和20年前後、戦後の物資が少ない時期のものではないかと思われます。
九九がすべて漢字表記。
メーカーが違うので単純に比較はできませんが
割り算九九は記載されていません。
■カーボン紙
ペリカンのカーボン紙は一枚一枚地紋が入っており、
タイプライターの機械的なイメージに合ったかっちりした並びが
機能的な雰囲気を醸し出していて、使わなくても持っていたくなります。
■インク吸取り紙
つけペンや万年筆で、インクのにじみやこすれを避けるために
余分なインクを吸い取るのが「吸取り紙」の役目です。
古いものは、万年筆やインクのメーカーが
ノベルティとして配布していたのでしょう。
きれいなイラスト入りのものが多数あります。