「おもしろシャープペンシル」となるのでしょうか。
ふと目に留まったのは、
魚雷型の繰り出し式シャープペンシル。
後ろの羽?尾翼というのでしょうか、を回して芯を出します。
デザインや質感が重みがあって、いい感じです。
そしてこれが単品ではなく、セットでした。
セットものに弱いものですから、
ほぼ一目ぼれ。
パッと見て、謎の物体がこのプロペラかと思いますが、
特にひねりはなく、ペーパーウェイトです。
さほど重量はないので、ちょっとしたメモくらいでないと負けてしまいそうですが、
作りはしっかりしています。
若干傾いでますが、プロペラもまわります。
つけペンです。
特に海や軍事品のようなテイストはなく、実用的なものです。
Gペンが刺さっていますが、使っていた方の好みかと。
もう一つの繰り出し式シャープペンシルです。
上の部分を回して芯を出します。
ペーパーウェイトと魚雷型ペンシルがデザイン担当とすると
つけペンとこちらの繰り出し式は実用担当といったところでしょうか。
実際使われていたようで、軸に名前が刻まれています。
使っていたのに、箱ごと残っていたのは珍しいですね。
大事にされていたのでしょう。
簡単な説明書が挟まれています。
「長期建設」「堅忍持久」を調べると、
「 陸軍省新聞班 新聞指導要領ニ関スル件( 昭和13年9月26日)」
という資料に
「 時局愈ニ長期建設ノ段階ニ入リ挙国一致堅忍持久ヲ益ニ必要トスル実情ニアルヲ以テ…」
とあります。(国立公文書館 アジア歴史資料センターのサイトより)
これですかね。
となると、昭和13年か、14年頃の商品と思われます。
また、背景のイラストの地図には
満州も日本と同様に赤くなっています。
時期的にそこも辻褄があうようです。
裏の説明を見ると、ペンシルのどちらかは二色のようなのですが、
同時に二本の芯が入る構造になっているようには見えず。。。
謎です。
メーカーのホシエスは、古い資料などではよく見かける印象なのですが、
いつからいつまであった会社なのかわかりませんでした。
昭和4年の資料には載っているのですが、
その後昭和35年の文具組合の名簿では探せませんでした。
一つ商品を持っていると、
気にするようになるので、今後私の頭にもう少し情報が入ってくるかもしれませんね。
おまけ。
なかなか開かない資料を久しぶりに開いたので
写真を1枚撮りました。
ホシエスさんとは全く関係ありませんが、
万年筆・シャープペンシルのメーカーさんの広告です。
「ゼネバ」ですよ!
英語の潔い日本語読みが気持ちいいです(笑)
(文具新聞社 日本文具製造業別名鑑より)