質屋の紙風呂敷
骨董市で面白い紙を見つけた。
4つに折りたたまれているが、かなり大きい。
目を引いたのはピンクの罫線の罫紙や伝票のようなものが張り付いていたからだ。
「これ何?」
「質屋さんが預かったものを包む風呂敷だって」
「へぇ~面白い!」
確かに風呂敷と同じくらいの大きさで、それなりに丈夫そうだ。
「和五年」とあるので昭和5年のものだろう。
「さくらや」とあるのは質入れした持ち主のなまえかな。
よく見ると、札がたくさん並んだような絵?記号?文字??がいくつも書かれていた。
当時の質屋さんが使っていた記号とかかな。
伝票の用のものに「受渡」の印や、丸のようなマークは質流れさせずに引き取りに来たものや、逆に質流れになったものなのか、終了ということだろう。
つまり自分の店で使っていた帳簿や伝票も使い終わったら糊付けして風呂敷として再利用していたのだな。
私が入手したのは、罫紙など文房具が再利用されたものだが、
他に本か書類のようなものを再利用したものもあった。
最初の写真は外側にあたり、反対面はこんな感じ。
着物でも包んであったのだろうか。
紙は細かいものをたくさん継ぎ合わせてあり、二重三重になっているようだ。
薄くて丈夫な和紙だからできたことだろう。
そしてインクではなく墨というのも都合がいいのだろう。
この紙風呂敷自体は文房具ではないが、使用済みの文房具がこんな風に再利用されていたというのが面白い。
今も紙の再利用は積極的に行われているが、昔は昔で当時の生活や知恵で無駄のないように再利用されていたのだな。
こういう資料にも載ってない情報って
貴重だし面白い。
モノと情報を両方見つけてきてくれる骨董屋さんに感謝である。
うん、楽しい。
そうだ、お知らせ。
連載「文房具百年」。今月はチェックライターの最終回です。
改ざんとの戦いを続けるチェックライター、どんなものがあったのか
是非ご覧ください。