消しゴム付き鉛筆というか、鉛筆についている消しゴムとその留め具である。
何が気になっていたのかというと、時々形が変わっているモノや
消しゴムを止めているところの素材が違うものがあることに
だんだん気づき始めたというか。
そして先日ついにほんの数本だが手に入れてしまった。
パッと見た感じは、どこが?という印象だろうか。
もう少し拡大版の写真を。
真中の3本は消しゴムが大きくて、形も変。
両サイドは金具に特徴がある。
よく見たら、PATENTの番号が入っている。
それも「これだよ!」という感じに→でPATENTの対象を指示している。
可愛らしいというかけなげである。
実際この金具が対象のPATENTがあるのか検索してみたら、ちゃんとあった。
「鉛筆と消しゴムの結合部のデザイン」が対象となっているようだ。
日本でいうと意匠登録に当たる内容のようだ。
1937年なので、昭和12年、約80年前のものだ。
これも番号があったので確認。
こちらは、1933年の登録だ。
対象は単にデザインだけではないようで、長い説明付き。(長いので割愛)
金具に切れ込みが入っているあたりがポイントかなと。
これも番号有り。
1937年でデザインが対象のようだ。
大体同じ頃のものだということが判明。
時代は同じだが、メーカーはそれぞれ違う。
ということはこの時代に鉛筆につける消しゴムに凝るのが
流行ったのだ、きっと。
鉛筆は大きさや太さ、軸や芯の形も大体落ち着いたので
消しゴムがんばってみよう、という時代だったのかもしれない。
そしてアメリカの特許の記録は、イラストがきれいで、サインもおしゃれだったりする。
もちろん全部ではないし、構造が複雑だとこうはならないのだろうが、
ちょっとしたカタログみたいなクオリティのものが割とあるので
見ていて楽しい。
話を戻すと、鉛筆についている消しゴムと留め具の話だ。
今回この5本をまとめて手に入れてまじまじと見ていたら、
別の「鉛筆についている消しゴムとその留め具」が気になってきた。
前からあったものを引っ張り出してみた。
留め具の材質が変わっているもの。
上は日本の市川鉛筆のものでセルロイドのようなので恐らく戦時中の代用品だろう。
下はアメリカ製で、こちらは紙である。
日本製だったらこれも戦時中の代用品と思われるが、
アメリカ製なので、代用品とは考えにくい。
「紙で作ってみた」程度のことかもしれない。
日本製ではこんなものがある。
コーリン鉛筆の製品で、消しゴムをつなげている部分がマグネットになっており、
冷蔵庫などにくっつくというものだ。
その他のものも、今までよく見ていなかったが
改めてみるとデザインの違いがある。
こんなところに着目してコレクションの幅を広げてしまうと
収拾がつかなくなりそうだ。
並べてみると、やっぱりなかなか楽しい。
80年も前の面白いものは入手困難だが、
何年後かには結構増えてしまっているかもしれない。
面白いものが増えたら、またここで紹介しよう。
★ 付記 ★
Webマガジン「文具のとびら」に連載している「文房具百年」の第三回目「輸入鉛筆と日本の鉛筆」、
公開されてます。
そして、イイネ100コつけてもらいました!
読んでくださったみなさま、ありがとうございます。
まだの方は是非!