少し前に入手して、そのままになっていたものを忘れないうちにご紹介。
水糊のビンです。
水糊って文房具?と見たときに疑問が浮かびましたが、
糊ですし。
それに封筒の綴じるところや
古いラベルの裏についているやつですよね。
文房具の仲間ということにしました。
だってビンとラベルが素敵なんですもの。
刺さっている棒は、筆です。
元はおそらく刷毛のついたふただったと思うのですが、
それがなくなったか使えなくなって筆で使っていたのでしょう。
そして筆はのこった糊と一緒に固まっており、
最初洗い流してしまおうかと思ったのですが、
「それはそのままの風情がよい」というご意見も賜り、
はい、このままにしときます。
水糊について調べましたが、詳しいことはわかりません。
でも「文具の歴史」(S47 田中経人著)をみると
「明治の中期頃までは、姫糊と称して澱粉製のものを水に溶いて煮た糊が唯一のもので…(以下略)」
とあります。
「姫糊」って名称が素敵ですね。
当時の糊は腐って悪臭を放ったらしいのですが、
「姫糊」といわれると、なんだか許せる気がします。
その後、不易糊さんが腐らない糊を発明して。。。と続くようですが、
ここではもう一つ液体糊のビンをご紹介。
アラビア糊。
このタイプの糊のビンがあるのは知っていたのですが、
全く出会えず、知人のビンコレクターの方に譲っていただきました。
液体糊は明治時代の終わり頃にイギリスやドイツから輸入した会社があり、
それから日本で作るようになったそうです。(「文具の歴史」より)
スポンジがついていて、逆さにすると糊がしみだしてくる機構は
当時画期的だったようです。
いまはバリバリに固まっています。
なぜアラビア糊かというと、アラビアゴムの樹液を成分としているからです。
そういえば、水彩絵の具も顔料+アラビアゴムでできているのでした。
ちなみにゴムといえば消しゴムですが、こちらはアラビアゴムとは違うゴムのようです。
(今は殆どゴムの製品は消えてしまいましたが)
と話がそれましたが、
アラビア糊は国産のものは大正時代からありました。
そして昭和40年代にはまだ文房具屋さんの店頭に残ってい他のを記憶しています。
たまたま自宅にあった本に広告が載っていました。
S27年のもので「業歴25年」ですから、国産のアラビア糊の普及時期と一致しますね。
「おなじ!?」と思ったのですが、、
間違いさがし。
文字が右からと左からの違いがあります。
手元にあるものはやはりかなり時代が後のものでしょう。
実は糊の容器も結構増えてきました。
この2つ以外は背の低い円筒型ですが、それなりに味があります。
一度まとめてアップしようと思います。