輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

文祥堂 丸ビルみやげ

銀座伊東屋さんの本店が建て替えの為仮店舗営業に入りましたが、
伊東屋さん本店のすぐ近くに、老舗の文房具店があったのはご存知でしょうか。
 
文祥堂さんです。
今もきれいな「文祥堂ビル」がありますが、
以前あそこの1Fは文房具店でした。
確か落ち着いた空間に機能的でおしゃれな文房具…という印象が残っています。
 
伊東屋さんの明治37年創業に対して、
文祥堂さんの創業は大正元年、実はあまり変わりません。
 
伊東屋さんの創業者は伊藤さん、文祥堂さnの創業者は佐藤さん、実は名前もあまり変わり…(笑)
 
 
その文祥堂さんは大正12年に丸ビルの2階に支店を開業したそうです。
そして、この「丸ビルみやげ」を販売していたと思われます。
 
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残念ながら中身がいくつか欠けているようです。
パッケージの様子からすると、おそらくB5サイズのノートが入っていたと思われます。
あと、たぶん筆箱も。
 
完品の様子が気になりますが、残っているものだけでも一つ一つすてきです。
 
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しおりの裏は時間割。曜日の文字デザインがエレガントです。
 
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消しゴムには鳩目が打ってあります。
無くならないように、紐か何かついていたのでしょうか。
鳩目があるだけで、ただの消しゴムよりかっこよく見えます。
 
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単語カード…と言いたいところですが、メモカードです。
今でも通用しそうなシンプルなデザインです。
 
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鉛筆は、軸の色が上品でいい色ですね。
銀の箔押しの文字もいい雰囲気です。
 
 
このおみやげがいつ頃の物かはわかりませんが、
パッケージの雰囲気からすると、昭和初期から戦前くらいでしょうか。
今でいう「スカイツリーみやげ」みたいな位置づけだったと思われます。
 
貰った人は自慢したか、ちょっとした話のタネにしたことでしょう。
 
 
ちなみに、文祥堂さんが丸ビルで営業を始めた大正12年関東大震災のあった年。
本店や工場も消失して、残った丸ビル店で営業をしていたそうです。
 
そして伊東屋さんも震災で本店消失、丸ビルに店舗があり、そこでは営業をしていたそうで、
震災や丸ビルでの営業といった点でも、文祥堂さんと伊東屋さんは
実はあまり変わらない状況だったようです。
 
 
文祥堂さんは今は、文房具の販売は撤退してしまったようですね。
 
何年も前になりますが、久しぶりに行ったら文房具店が見つからず
なくなったことが信じられずにあのビルの周りをぐるぐるうろうろした記憶があります。
 
残念です。
文祥堂オリジナル文房具、もっと見たいですね。
 
 
そういえば銀座のもう一つの文房具店「クロサワ」は
いつ消えてしまったのでしょう。
 
 
参照:文祥堂ホームページ、Wikipedia伊東屋