ライオン事務器さんの文房具おまけの話。卯之助?富一郎?
年をまたいでしまいましたが、ライオン事務器さんのおまけの話 その2。
クレヨンです。
過去のブログにも掲載していますが、ライオンさんの古いクレヨンを2つ持っていました。
それが、先日もう一つ増えて3つになりました。
それが、先日もう一つ増えて3つになりました。
真ん中と右はほぼ同じデザインです。
でもちょっと違います。
さらに裏は…
結構違います。(並びがおかしくなってしまいましたが、上の写真の一番右がこの写真の一番左です。)
この塔のイラストのクレヨンが今回入手したクレヨンです。
この塔はなんだ?
ということで細かいところをよく見てみました。
このクレヨンはライオンさんのブランドになっていますが、製造しているところは
タワーチョークというブランドか製品を作っているところのようです。
OEMですね。
表をよく見ると…
「U.SUGIMOTO CHALK & CRAYONS FACTRY」とあります。
以前よりこのクレヨンがいつ頃の物かはっきりしなかったのですが、
「SUGIMOTO CHALK」を調べると何かわかるかもしれません。
早速検索です。
「杉本」「白墨」で調べると、出てきました!
そしてきっとこの方が「SUGIMOTO CHALK」を興したのでしょう。
…と、白墨の歴史でもう一人杉本さんが出てきました。
黒板メーカーの馬印さんのHPの記載では、
明治6年に大阪の杉本富一郎氏により、初めて日本に輸入され、
その後杉本氏により、明治8年初の国産白墨を完成、
とあります。
年代は同じなので、同じ人でしょうか?
富一郎さんが卯之助さんに改名したのでしょうか?
または富一郎さんの息子が卯之助さんで、輸入はお父さん、
国産チョークを作ったのは息子さん、とか。
それとも富一郎さんと卯之助さんは親族関係にあり、チョーク開発の手柄を争って
卯之助さんが勝利したのでしょうか(笑)
しょうもないことをあれこれ考えたりするわけです。
なお、「文房具の歴史」(田中経人著)でも「杉本卯之助」さんとなっており、
卯之助説が有力ですが、馬印さんは白墨と関係の深い黒板メーカーさんなので、富一郎説も
捨てがたいところです。
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と、話がチョークの歴史に行ってしまいましたが、
このクレヨンについては
「U.SUGIMOTO」となっていることと
調べたらライオンさんの明治34年のカタログに
「杉本卯之助堊筆工場製」の白墨が掲載されているとのこと。
白墨の起源はともあれ、「SUGIMOTO CHALK」の正式社名はこれに違いない!
ちなみに、以前から持っていた2つのクレヨンは、「SUGIMOTO CHALK」製ではなく、
「SAIJYO ROHITSU」製です。
(写真上2つが以前から持っていたクレヨン)
「西條蝋筆」?「西条蝋筆」?
調べたけれとわかりません。
ちなみに「蝋筆」は現代でも中国語でクレヨンを意味するらしく、
ネットで検索したら「クレヨンしんちゃん」について記載のある中国のサイトが複数出てきました。
杉本堊筆工場と「サイジョウ蝋筆」、この会社についてもわかれば、
クレヨンの時代がわかるかもしれません。
とはいえ、何分昔の話ですから、後を追うのは難しいですね。
なお、クレヨンの国内の歴史は大正4~7年くらいの間に
アメリカから入ってきたのが始まりと曖昧な起債がいくつか見つかりましたが、
個人的には、明治時代からこの杉本堊筆工場製の国産クレヨンがあったのではないかと
思っています。
そして、結局この塔がなんだかはわからないままです。
実在していそうなんですけどね。
塔マニアの方とかいたら、教えていただきたいです!