真夏の骨董市。
もう暑くて、行っては見るものの、探し方はかなり適当な感じです。
そんな中、今日ふと目についた箱は「懐中スタンプ」という「?」な商品名が気になりました。
あけてみるとシャチハタネームスタンプとよく似た、でもちょっと大きいものが入っていました。
軸には「卍字 龍脾」の文字。
何やら凄そうな表記ですが、材質はプラスチックのようです。
左側のふたを外してみると、四角い枠が空いています。
ここに何かはめ込むようです。
反対側はネジ式でしっかりしまっています。
こちらを開けると中に何か入っています。
引っ張り出してみると
ピンセットのようなものと、それに挟んである金属製の小さい容器です。
これ、よくできていて、ピンセットの端が本体から取り出しやすい形になっています。
さらに、こういう入れ方をすることで、出した時に金属容器の中が開いて
中身が飛び出さないようになってます。
肝心の金属容器の中身。
開けてびっくり、なんて小さなスタンプなんでしょう!
年・月・日に相当する数字が入っています。
年は「18.」「19.」「20.」「21.」です。
西暦を使っていたとは考えにくいので、おそらく昭和18年に作られたものでしょう。
どれくらい小さいかがわかりづらいので、
三文判と並べて見ました。
文字判のサイズは縦2.5ミリくらい、横は2~3ミリです。
枠にはめてみようとしたのですが、長年使用されないうちに変形してしまったのか、
上手くはまりません。
但し、おまけで気づいたことが一つ。
ピンセットの幅が
文字判の幅と近いので、ハンコとハンコの間に差し込んでつかんだりひっぱっり出したりするのに
適したサイズになっています。
きっとそこまで計算して作ったのでしょう。
で、大きさ確認のため、スタンプだけで捺してみました。
USBはサイズ比較用です。
ちいさーい!
よく作りましたよね、これ。
それに不思議に思ったのが、こんなに小さい日付印を持ち歩く必要のあった人は
どういう人でしょう。
というか、どういう仕事の人でしょう。
多分こんな小さい文字で日付を残す必要があり、
手書きではこのサイズをきれいに書くのは難しいので
スタンプになったのかと。
現在も使われている回転式日付印よりも前だったのか、
サイズの関係でこの形態になったが回転式と並行してあったのか。
いろいろなぞはありますが、
なかなか味のある事務用品です。