輸入・廃番文房具の発掘メモ

古い文房具を集めています。見つけた文房具や資料を紹介しています。

「神国日本」他戦時中あたりの鉛筆達

骨董市で、鉛筆を買いました。
 
束とバラで箱に入っており、
まるまる引き取らせていただきました。

どうやら、個人の方が集めていたものらしく、
バラの鉛筆は同じ種類のものがあまりなく、
マイナーなメーカーのものが1本~数本づつありました。
せっかくなのでご紹介を。
 
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まず、戦時中のものらしく、時代を表したメッセージの鉛筆が数本。

でも1番左は弾丸の「SHOT」のようなので入れましたが、他の4本とはちょっと違いますね。
左から2番目:国民精神鉛筆
3番目:プラトン鉛筆「神国日本」
4番目:メーカー不明(I.S.P?)「軍神 山本五十六元帥」
5番目:山本印刷所のノベルティ鉛筆「国民精神総動員」

熱いです。ちょっと怖いです。
戦時中はみんなこんな調子だったのでしょうか。
 
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次にノベルティ鉛筆。

左から1番目:深谷 田島屋呉服店
2番目:御嶽ホテル・松原旅館
3番目:四万温泉
4、5番目:浪花 細野精一商店
6番目:深谷 きん藤旅館
 
文字だけですけど、昔の雰囲気が漂ってますね。
なお、この中で、「きん藤(とう)旅館」だけ、現存を確認できました。
江戸時代から続いているようです。
 
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もう一つノベルティ鉛筆、「三尻無尽株式会社」の鉛筆。
「輝く日本に伸び行く無尽」
「国に国防、家には無尽」
「長期建設無尽で強化」と刻まれています。

無尽ってなに?と思って調べたら金融機関の形態のことでした。
この三尻無尽株式会社はのちに日本相互銀行になっています。
ふーん、おもしろいなぁ。
 
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ノベルティだかわかりませんが、白い紙にくるまれて、ひもで縛ってある鉛筆が一つ。
神社か何かの鉛筆でしょうか。
紙をはがすと戻せないので、そのままです。
 
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そして大日本印刷ノベルティかと思ったら
DNPのPはPrintではなく、Pencilですね。
そういう会社があったようです。
 
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その他メーカーの鉛筆。
まずレトロな縞々模様の5本。
左から1、2番目:陸奥学生用鉛筆
3番目:ホームラン鉛筆
4番目:大東亜鉛
5番目:ナニワ学習用鉛筆
 
個人的にはピンクの「ナニワ学習用鉛筆」が好きです。
 
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左から1番目:スキー鉛筆
2番目:conao?鉛筆・・・鳥のような商標がついていますが、鉛筆の名称がよくわかりません
3番目:サンエム鉛筆
4,5番目:メリー鉛筆
6番目:RESIDENCE PENCIL レジデンス鉛筆って「お住まい鉛筆」って意味でしょうか?笑
7番目:ダービー鉛筆
 
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文字が消えかけていて、写真がうまく撮れていないのですが、
「千○ライラック筆記用鉛筆」
 ライラック→北海道だから「千歳ライラック鉛筆」かなぁと思っています。
 
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比較的有名どころ、市川鉛筆の「MELODY鉛筆」

不思議なのは、右側の鉛筆は、少し削ったような形態で
上から塗装されています。
先日チェコの鉛筆で同様の塗装を施しているのを見ましたが、
日本でもやっているところあったんですね。
 
この形からスタートした方が削りやすいからでしょうか。
でも塗装されていると、削りづらい。。。
 
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束であったのはニューオリオン鉛筆。
束のほかにもバラで数本あったので、
これはこの方が使っていたのかもしれません。

結構な本数があるのに、メジャーな鉛筆がないなと思っていたら
トンボとヨットがありました。
 
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ヨットや削っていなかったので、蒐集物の方に入るのだと思いますが、
トンボはしっかり削られて短くなっていたので、
実際に使っていたようです。

あとこのほかにもPLATON鉛筆、スターキャメル鉛筆が数本ありました。

また、鉛筆と一緒に万年筆もまとまって出てきていましたので、
筆記具がお好きな方だったのでしょうね。
消しゴムが出てこなかったのが残念ですが、
なかなか楽しい買い物でした。
 
これは、バラで出てきたとはいえ、同じ時代い集められたものなので
他のバラ鉛筆と混ざらないように持っていようと思います。



2019/3/18追記
コメント欄に貴重な情報をいただいたので、残すためにこちらに追記しました・。

東京大学シナ哲学科卒業で実業家の男性の、戦前戦後の日記を判読しています。昭和19年12月31日、親戚の子供へ歳暮としてプラトン鉛筆とあります。90銭です。」

情報を教えてくださった方、ありがとうございました。