謎の「白」ブームと「紙工界」
白梅(しろうめ)という便箋を持っています。
小さいサイズのもので、中は普通の罫線のみです。
いつ頃の物でしょうね。
そして先日紙工界という昭和3年の業界誌を入手しました。
余談ですが、これまでもこの頃の資料はいくつか持っているのですが、
あまり紙製品が出てこないなと持っていました。
「紙」には紙の業界があるのですね。
この資料を見て、いろいろな紙のメーカーさんの広告が出ていて
新鮮でした。
あ、戻りますね。
白梅の便箋の話です。
で、この「紙工界」を眺めていると
あ、白梅のシリーズ?と思えるものがありました。
「はくとう」ではなく、「しろもも」です。
デザインもよく似てるし、シリーズだったんだ!
と思いましたが、よく見ると会社が全然違う。
更に
一瞬「白梅」空目するこちらは
「しろうみ」ですよ!
こちらもまた違う会社です。
これはきっとちょっとしたホワイト便箋ブームがあったんでしょうね。
(実は、更に見ていくと「白日本」まで!
と色めきだったのですが、よく見ると「新日本」でした。)
何処が最初だったのかわかりませんが、
なぜかヒットしたのでしょうね。
そして空目狙いの商品がいろいろ出たと。
個人的には、自分の持っている「白梅」が天下の王子製紙さんですし
最初だと思いたいところです。
そして、だいたいこれで終わりなんですが、
せっかくなのでもう少し。
「紙工界」の裏表紙は極東ノートさんの広告ですが
「佐野ノート」さんが元の社名なんですね。
でも栃木の佐野の佐野ではなく、お名前の佐野さんの佐野でした。
このころの便箋の表紙のデザイン、すてきですよね。
アールデコが色濃いけど
どこか和風でやさしいアールデコという印象です。
あと、時代というかなんというか
「紙工会都々逸(どどいつ)」なんてページもありまして。。
とあります。
確かに読み上げると調子がいいですね。
残念ながら意味は今一ピンときませんが、
調子の面白さは感じます。
当時の人は「なるほど」とか「こりゃうまいことをいう」とか
思ったんでしょうね。
これを見て、知ったかぶりではなくすっと笑えるようになったら
古文房具好きとしては一人前でしょうか。(笑)