古い文房具をガツガツ集めだした割と初期に、手に入れたカタログがある。
1915年のアメリカ Carterのカタログだ。
Carterはインクが有名なメーカーだが、そのほかに糊など当時瓶に入れて販売していた文房具関係を扱っている。
このカタログに載っている糊が、とても素敵でぜひ手に入れたいとずっと探していた。
おそらく10年以上探していたであろう。
それがこれだ。
単なる糊に、なんと優美な入れ物なんだろうと感心することしきり。
なかなか見つからず、忘れかけていたのだが、つい先日やっと見つけた。
それが、なかなか残念なけっかだったのだ。
カタログを見て、根気よく探して手に入れたものは、
大抵カタログより素敵で、手に入ると大喜びなのだが、
今回はちょっと外した感じだ。
現物はこれ。
この糊の容器は(カタログ上は)蓋のデザインが魅力(だと思った)が、
ブリキの蓋に模様が描かれているだけだった。
これでも新品の時は美しかったのかもしれないが、おそらく100年くらい経過していることもあり、寂しい外観になっている。
(とはいえ、長年探していたものなので、手元には置きたくて、買っておいた。)
掃除すれば少しきれいになるかと思ったが、多少拭いたくらいでは変わらず、
頑張ってこすって、剥げてしまうと元も子もないのでこのままで良しとした。
カタログと並べてみると、同じものであることは間違いないようだ。
せっかくなので、ラベルに書かれていることを翻訳してみた。
画像を読み込ませて訳したので、文字のバランスが少しおかしいが、内容はわかる。
以前は手で入力で翻訳していたが、便利になったものだ。
糊の瓶については以上。
Carterの製品をもう一つ紹介しよう。
インク瓶だ。
こちらはとても状態がよく、且つカタログより格好いいくらいで
嬉しい出会いだ。
特にこれを探していたわけではなく、
偶然出会って、購入してからこのカタログを確認したら載っていた。
素晴らしい。
蓋のガラスのスポイトが、割れも欠けもなく、きれいに残っている。
この曲がった癖のある形で、100年残っているのはすごいことだ。
元の持ち主がさぞ大切にしていたのだろう。
ゴムの部分はさすがに劣化して固くなっているが、
へこみや破れがもなくきれいな形を保っている。
(この手のゴムを使った製品は、へこんだ状態で固まっていることが多い。)
ラベルがきれいに残っているのもすごい。
金色の部分は、光が当たるときらきらと光る。
カタログと並べてみた。
これはほんとに入手出来て幸運だった。
ちなみに日本の骨董市で見つけた。
日本にあってくれて、100年も残っていてくれて、私のところに来てくれてありがとう。